一般記事
県経営支援課 総事業費約95億円で 県営競輪場を建替等により集約化 国スポリハ大会開催までに工事完了 松田平田設計で老朽化対策検討調査
2025.2.20 県産業・観光・雇用振興部
奈良県産業部経営支援課は、県営競輪場について昨年12月開催の第25回奈良県営競輪あり方検討委員会での「事業継続」の提言を踏まえ、競輪事業を継続することとし、事業継続のため競輪場敷地全体に点在する老朽化した施設を建替等により集約化する。総事業費約95億円を見込み、令和12年の国民スポーツ大会リハーサル大会開催までの工事完了をめざす。
再整備は、観覧席・特別観覧席・投票所・食堂等の機能を集約した新スタンドを新設するとともに、女子選手用の宿舎を増築し、競争路の全面改修と照明の設置を予定している(管理棟や選手宿舎は継続利用する)。
再整備期間は8年度~11年度で、再整備・運営手法はDBO方式(県が資金を負担し、民間事業者に施設の設計〈Design〉・建設〈Build〉・運営〈Operate〉を一体的に委託する方式)による一括発注。総事業費約95億円は県営競輪施設整備基金積立金の5年度までの約46億円と、6年度~11年度累計見込約85億円から一般会計への繰出金等約36億円を除いた約49億円を充てる。
今後のスケジュール(予定)は7年度に要求水準書等作成と建物・地質・測量等調査、8年度にDBO方式による一括発注手続き、8年度後半~11年度に基本・実施設計と解体・土木・建築工事、12年度から運営委(12年国民スポーツ大会リハーサル大会、13年国民スポーツ大会)。
現在、「奈良県営競輪場老朽化対策検討調査委託」を松田平田設計(東京都港区元赤坂1―5―17)に委託して進めている。委託期間2月28日。業務場所は奈良市秋篠町。担当は商工団体・地域産業振興係(電話0742―27―8804)。
県営競輪事業は「平成25年度以降は黒字で推移しており、現在の経営状況及び施設整備を含めた今後の収支見込みでは、令和4年度以降も継続可能な状況である」とする一方、「新型コロナウイルス感染症の影響について、今後の開催状況及び収支変動等を注視する必要がある」ため「4年度~8年度の5年間は引き続き競輪事業を実施するとともに、経営安定化を図る期間とする」とした。
委員会の提言では、コロナ禍収束後も経営状況は堅調に推移しているとともに、近年の取組み状況及び今後の収支見込みから長期間に亘って持続可能な状況であるため、9年度以降も中長期的に競輪事業を実施することが妥当である。9年度以降の事業継続に向けては施設が老朽化していることから、競輪事業継続に必要な施設整備を確実に実施することとする。引き続き競輪事業の経営の安定化を図るとともに、包括外部委託の継続要否を含む経営手法及び経営状況等の検証・検討を実施されたい」とした。
事業継続での課題等は次の通り。①現状②課題等。
▽施設・設備等の老朽化=①現存する施設の多くが昭和40年代に建設のため数年のうちに耐用年数を迎える。耐震性能が不充分なため使用停止している施設もある。停電や漏水が発生しており運営や来場者への影響が出ている②施設、競走路、設備の老朽化への対応。
▽社会環境の変化=①娯楽の多様化による来場者数の減少、インターネット投票等による車券発売金の大幅な増加②来場者に対して過大な施設規模。
▽開催形態の多様化=①ナイターとミッドナイトの開催の増加、ガールズケイリンの開催による女子選手用の設備の不足②夜間等開催時の照明機器のリース費用の発生、女子選手用設備への対応。
▽競輪場でのギャンブル等依存症対策=①イベントでの啓発ブース設置、インターネットでのWEB広告や啓発動画掲載、競輪場HPやSNSでの啓発、場内でのポスター掲示やリーフレット配架 等②継続した対策が必要。