一般記事
県奈良公園室 建設技術研究所で進む 近鉄奈良駅前整備計画方針検討
2024.11.26 県産業・観光・雇用振興部
奈良県観光局奈良公園室は、今年度から開催する奈良県観光戦略本部会議の意見を聞きながら、奈良公園だけでなく「ならまち」「きたまち」「船橋商店街」を含めた広い範囲の玄関口となる近鉄奈良駅周辺において、多くの人々が集う空間にふさわしい環境を創出するため、令和6年度に交通結節点としての移動環境を高めるとともに、駅利用者等が待ち時間等を快適に滞在できるよう歩行者空間の環境向上をめざす計画方針を検討する。
公募型プロポーザル「近鉄奈良駅前整備計画方針検討業務(近鉄奈良駅周辺地域魅力づくり事業)第891―委―1号」により、建設技術研究所奈良事務所(奈良市西大寺南町16―19フロンティアビル)から提出された参加表明書及び技術提案書についてヒアリングを実施し、評価基準(合計100点)に基づき審査、評価値66・70点で受託業者として特定し、998万8000円込(業務量目安限度額と同額)で契約を締結して委託、業務を進めている。業務場所は奈良市高天町他。業務は①地域周辺の現況整理②近鉄奈良駅周辺地区の交通機能配分検討③歩行者空間利活用方策の検討④勉強会の運営補助。委託期間7年3月27日。担当は奈良公園整備係(電話0742―27―8036)。
現在の近鉄奈良駅の駅前広場は、昭和44年大阪万博を契機として近鉄奈良駅を地下化したもので、50年以上が経過して各施設の老朽化が進行している。手狭な空間に駐輪場やタクシー待機場などの施設が大きな面積を占めており、公共交通利用者が安全・安心に通行する歩行空間も不充分な状況にある。また、公共交通利用者だけでなく、観光客など多くの人々が交流できる拠点として近鉄奈良駅前の安全で魅力的な広場空間が求められている。
近鉄奈良駅周辺は、平成27年1月に県と締結した「まちづくりに関する包括協定」における対象地区のひとつである、奈良公園周辺地区内に位置している。奈良公園周辺地区の課題として①バス便の乗換えの利便性が低い②近鉄奈良駅のターミナル機能が低い③駅前広場の動線が交錯④バリアフリー対策が不充分⑤駅出入口からバス停までの連続した屋根の未設置⑥沿道景観を阻害する屋外広告物等―を挙げている。
2年度には「近鉄奈良駅周辺環境整備検討業務委託(近鉄奈良駅歩道屋根の整備事業(防災・安全)(主プロ))第繰3―A01―081―委―1他号」で道路利用状況等の調査・解析を行って道路幅員構成の見直し(車線減と歩道拡幅)等を含めた歩道空間の再構築、3年度は「近鉄奈良駅周辺環境整備設計業務委託(近鉄奈良駅周辺の環境整備事業(都づくり)他)繰3―A01―081―委―2他号」により駅前広場基本計画1式、4年度は「近鉄奈良駅周辺環境整備設計業務委託(近鉄奈良駅周辺の環境整備事業(都づくり))290―委―2号」で環境整備設計を実施。業務はいずれも建設技術研究所奈良事務所が担当。
昨年度には「近鉄奈良駅周辺環境整備設計業務委託(近鉄奈良駅周辺の環境整備事業(都づくり))第繰290―委―3他号」をオオバ奈良営業所に委託して実施した。それまで近鉄奈良駅周辺整備について西口駅前広場と大宮通りの再整備の検討を既存駅前広場内で進めてきたが、対象を拡げて周辺地も含め、効果的で必要な機能と規模を令和5年度に再検討したもの。今回の業務内容は次の通り。
▽地域周辺の現況整理=過年度に実施した成果等に基づき地区周辺の現況交通機能及び歩行者空間を対象にした利用状況を整理する。
▽近鉄奈良駅周辺地区の交通機能配分検討=①5年度に検討した計画図及び交通機能の現況把握に基づき近鉄奈良駅周辺地区(西口駅前広場及び大宮通り)の交通機能配置の見直しを車両・歩行者動線を計画した地下との接続(階段・EV等)を考慮した機能配置を検討する②検討結果及び関係機関協議の結果に基づき計画平面図を作成する。
▽歩行者空間利活用方策の検討=既往の勉強会成果等に基づき近鉄奈良駅周辺地区の歩行者空間に求められる機能を、全国の事例を調査し、駅周辺整備により導入している機能等を整理して参考とし、今年度開催予定の勉強会意見等を踏まえて歩行者空間の利活用をイメージして設定する。
▽勉強会の運営補助=地域関係者・土地所有者・交通事業者等が一堂に会して近鉄奈良駅周辺地区の歩行者空間利活用や交通結節点としての駅前機能等について、有識者を招いた勉強会の運営補助を行う。参加人数は30人程度で1回の開催を想定している。
▽関係機関協議資料の作成=2回程度の開催を想定している。
▽報告書とりまとめ。
(吹上)