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県河川整備委員会 7河川9工区対象に 大和川水系「布留飛鳥圏域」進捗点検 布留川北流は段階的施工を検討 飛鳥川は出屋敷新橋架替を推進

2024.11.12 県土マネジメント部

奈良県県土マネジメント部河川整備課は、第107回奈良県河川整備委員会(委員長・川池健司京都大学防災研究所教授)を、11月5日に県橿原総合庁舎(橿原市常盤町605―5)で開催し、大和川水系(布留飛鳥圏域)について、進捗点検と環境モニタリング調査結果(中間報告)について議論した。
まず、第106回奈良県河川整備委員会での議事概要と委員からの意見への回答を確認、大和川水系(布留飛鳥圏域)における進捗点検(ニュージェック奈良事務所が担当)と環境モニタリング調査(建設技術研究所奈良事務所が担当)に係る県からの説明を受けた。飛鳥川の樫原~柏森と米川は現地視察の代わりにドローンによる動画での説明となった。
平成9年の河川法改正により治水・利水・環境の総合的な河川制度整備として河川環境の整備と保全、地域の意見を反映した河川整備の計画制度が導入された。長期的な視点に立った河川整備の基本的な方針とする河川整備基本方針に基づき、今後20~30年の河川の整備を計画的に実施する内容を示した河川整備計画の策定が義務付けられている。
県では、河川整備計画を策定するため学識経験者11名で構成する奈良県河川整備委員会を設置し▽大和川水系(生駒いかるが圏域、平城圏域、布留飛鳥圏域、曽我葛城圏域)▽紀の川水系▽淀川水系―の3水系において、同計画を策定して事業を進めている。
河川整備計画は長期計画のため、社会情勢の変化や自然環境の影響等を適切に反映できるように適時点検(フォローアップ)を行う必要がある。委員会では、策定した河川整備計画のフォローアップとしての進捗点検の役割を持っており、その役割には、当該計画に基づく事業についての奈良県公共事業評価監視委員会に代わる事業再評価に関する審議も含んでいる。平成24年度から開始した進捗点検も28年度までにすべての河川整備計画について完了しており、29年度から2巡目、令和4年度から3巡目の進捗点検を実施している。
6年度に実施する大和川水系(布留飛鳥圏域)の進捗点検の対象河川は大和川(初瀬川)・布留川北流・布留川南流(2工区)・寺川・飛鳥川(2工区)・米川・新川の7河川9工区、事業再評価を行う対象河川は大和川(初瀬川)・布留川・寺川・飛鳥川・米川・新川の6河川。担当は河川計画係 (電話0742―27―7507)。各河川改修事業の進捗点検は次の通り。
【大和川(初瀬川)】
桜井市内の庚申橋下流付近(大泉)~国道169号三輪大橋(三輪)1550㍍のうち下流側200㍍が整備済。元年度~2年度に庚申橋より上流の左岸80㍍の一部掘削工事が完了、5年度までに地籍混乱地の調整を実施して用地の確保が完了したため6年度からは左岸80㍍の護岸工事を実施中。当面の目標は今後5年間で右岸200㍍、左岸150㍍の護岸整備を行う予定。
【布留川北流】
天理市内の富堂川分流点(東井戸堂町)~布留川分流点(守目堂町)900㍍のうち5号井堰の手前までの410㍍が整備済。6年度から勘定橋上流から段階的施工について検討中(内外エンジニアリング奈良営業所が担当)。5号井堰の改築(固定堰→可動堰)に向けた水利組合との協議を継続するとともに、用地買収に向けた地元交渉を進めている。当面の目標は今後5年間で5号井堰の改築及び勘定橋架替工事より先行して、市道橋の架替及び勘定橋上流~市道橋の護岸整備を行う予定。
【布留川南流】
A工区(天理市吉田町地内の西門川合流点上流~吉田井堰)170㍍は整備済。
B工区(天理市内の筑紫大橋〈九条町〉~中村池付近〈田町〉)900㍍のうち下流側660㍍が整備済。2年~5年にかけて両岸90㍍で護岸整備を実施、6年度は公図の訂正及び土地家屋調査を行う。当面の目標は今後5年間で用地買収及び天理市道(乙木合場線)の橋梁架替を行う予定。
【寺川】
竹田橋(橿原市東竹田町)~粟原川合流点(桜井市上之庄)2650㍍のうち下流側1300㍍及び佛生井堰が整備済。2年~5年は佛生井堰の移設及び護岸整備を実施、6年度は佛生橋下流の護岸整備及び橋梁下部工を実施している。当面の目標は今後5年間で佛生橋の架替及び佛生橋上流の護岸整備を行う予定。
【飛鳥川】
三宅は三宅町内の新川合流点(小柳)~かんでん川合流点(但馬〉1900㍍のうち下流側460㍍が整備済。2年~5年にかけて両岸50㍍で護岸整備を実施、6年度は引き続き上流に向かって護岸整備及び出屋敷新橋の架替工事を実施している。当面の目標は今後5年間で出屋敷新橋の架替と出屋敷新橋上流の護岸整備を行う予定。
橿原~柏森は近鉄橿原線橋梁上流(橿原市兵部町)~柏森橋下流(明日香村柏森)9800㍍のうち柏森橋下流の350㍍(下池)と340㍍(上池)が整備済。橿原は近畿地方整備局奈良国道事務所において歩道整備に伴う橿原橋の架替を計画中。柏森(神奈備の郷・川づくり事業)は貯留施設が完成済、2年~5年にかけて両岸30㍍で護岸整備を実施、6年度は引き続き護岸整備及び橋梁の架替を行う。当面の目標は今後5年間で、橿原は国施工による橿原橋の架替に伴う仮橋施工の借地等について奈良国道事務所と調整し、柏森は護岸整備及び橋梁架替や植栽を行う(8年度完了予定)。
【米川】
橿原市内の木原橋上流(木原町〉~中の川合流点(出合町)1900㍍のうち下流側660㍍が整備済。2年~5年にかけて両岸60㍍で護岸整備を実施、6年度は引き続き上流に向かって護岸整備を実施している。当面の目標は今後5年間で極楽橋の架替及び極楽橋上流の護岸整備を行う予定。
【新川】
三宅町内の飛鳥川合流点(小柳)~三宅町石見都市下水路合流点(伴堂)1340㍍のうち飛鳥川合流点側360㍍が整備済。2年~5年にかけて逆流防止樋門工事を実施、6年度は逆流防止樋門工事を実施するとともにそれに係る護岸整備を行う。当面の目標は今後5年間で引き続き護岸整備と旧橋(無名橋)撤去を行うとともに下流から360㍍付近の整備必要区間から上流の整備を進める予定。
(吹上)

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