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県広域水道C 漏水等を未然に防止 埋設管老朽度調査委託
2024.10.29 県水道局
奈良県広域水道センターは、一般競争入札「埋設管老朽度調査委託」を11月21日に開札して業務を委託する。これは既埋設管の管体内面での侵食・腐食等の状況を把握することにより、経年に係る老朽度合いを把握し、漏水事故等を未然に防ぐことが目的。
対象は中央幹線(橿原市曽我町)DIPφ1500㍉切片DIPφ700㍉、中央幹線(大和郡山市椎木町)DIPφ1500㍉切片DIPφ700㍉、田原本町第2受水地(田原本町伊与戸)SPφ300㍉切片SPφ200㍉。委託期間7年3月14日。目視により錆・腐食状況・腐食深さ及び塗装の膨れ・割れの調査を行い、次の調査を実施し、環境調査として管周辺の土質と湧水の有無・土壌抵抗率・pH・管対地電位等を調査する。
【へん平試験】
調査管の一部より環状試験片(50㍉以上)を3個製作し、金属材料圧壊試験機を用いて垂直荷重をφ75㍉と100㍉は呼び径の1/100、150㍉~250㍉は呼び径の1/8、300㍉~450㍉は呼び径の1/6、500㍉~2600㍉は呼び径の1/4のへん平になるまで徐々に加えた時、管の内外面に割れその他の欠陥が生じたかどうかを調べる。
【引張試験】
調査管の一部より管軸方向を軸として、ダクタイル鋳鉄管の場合はJISZ2241(金属材料引張試験片)に規定する4号試験片を、鋼管の場合は5号試験片(溶接部は含まない)を3個作製し、3JISZ2241によって試験を行う。
また、アーク溶接により製造された鋼管については溶接部からJISZ3121の3(突会せ溶接継手の引張実験方法)に規定する1号試験片を1個作製して試験を行う。
【硬さ試験】
引張試験片の一部を用いて適当な大きさに仕上げたものを3個作製してJISZ2243(ブリネル硬さ試験方法)によって測定する。
【組織調査(ダクタイル鋳鉄管)】
調査管の一部より試料を採取し、研磨処理ののち金属顕微鏡を用いて組織の写真撮影を行う。また、試験材料がダクタイル鋳鉄管の場合は黒鉛球状化率を判定する。
【化学成分分析】
調査管の一部より試料を採取し、JISG1201(鉄及び鋼の分析方法通則)により、ダクタイル鋳鉄管においてはT―C、Si、Mn、P、S、Mgを、鋼管においてはC、P、Sの含有量を調査する。
【腐食量調査】
調査管の一部より試料を採取し、管軸方向に二つ割りにする。次に錆瘤またはライニング材等を除去し、ショットブラスト処理を行った後に内外面の腐食面積割合を目視により測定する。また、内外面の採取時の状況及びショットブラスト処理前後の状況を写真撮影する。さらにデプスゲージとノギス等を用いて内外面それぞれの腐食深さを深いものから順に5ヵ所測定する。
また、ダイヤルキャリパーゲージを用いて残管厚の小さいものから順に5ヵ所測定する。鋼管現地溶接継手部は継手中心及び左右5㌢㍍離れた部分を管周方向に5㌢㍍間隔で管厚をノギス等で測定する。
【モリタルライニング調査】調査管の一部を切断して行う。
▽ライニング厚さ測定=管頂・管底・管右・管左の4ヵ所の位置におけるライニング厚さを測定する。なお、埋設時の管頂の位置が不明の場合は水垢の付着状況から推定する。
▽中性化試験=ライニング切断面にフェノールフタレイン指示薬を塗布し、管頂・管底・管右・管左の4ヵ所の位置における赤変部の厚みを測定する。また、中性化試験を行ったライニング切断面を写真撮影する。
▽内面状況調査=目視によりライニングの傷とひび割れの有無及び発錆の有無等について調査し、ライニングの状況を写真撮影する。次に水洗いを行い、ライニングの変化(骨材の露出)面積割合を目視によって行う。