一般記事

県防災統括室 効果的な対応発揮へ 災害対策本部機能調査検討 規模や事業費・スケジュール検討

2024.10.25 県総務部

 奈良県総務部知事公室防災統括室は、県災害対策本部について令和6年度に大規模災害に備え、応急対策活動に必要となる機能やスペース、設備等の調査、県庁舎の現状把握や災害活動体制の検証を実施することにより、効果的な災害対応機能を発揮するための短期及び中長期的な施設運用について検討する。
一般競争入札「奈良県災害対策本部機能調査検討業務」を11月13日に開札して業務を委託する。参加には平成31年4月1日以降~公告日に完了した国または地方公共団体(都道府県)発注の「災害対策本部の機能に関する調査検討」または「災害対策本部運営訓練の企画運営・検証」に関する業務の元請実績を有していることが必要。業務場所は奈良市。委託期間7年3月24日。担当の電話0742―27―8091。
災害対策基本法に基づき災害発生時等には地域防災計画の定めるところにより、知事は災害対策本部を設置することができる。大規模災害時には全庁的な体制を執るとともに、自県のみでの対応が困難となることから、国や地方公共団体からの防災関係機関のリエゾンや応援職員等を受け入れるなどさまざまな関係機関と連携して応急対策活動を実施する必要がある。
県では、平成23年の紀伊半島大水害以降は災害対策本部が設置されていない。実効性のある災害対応を行うためには、近年の災害の激甚化・頻発化を踏まえた本部体制や機能等を検証・評価することが重要。また、本部機能を効果的に発揮するため、応援職員等の活動スペース確保など短期的な施設運用について検討するとともに中長期的な対策を検討する必要がある。
計画準備として業務の目的と業務内容を充分把握のうえで実施方針と検討条件・方法及び工程・実施体制等を整理して実施計画書を立案し、業務の実施に当たり必要となる基礎資料(先進事例、国や地方公共団体における検討、その他関連事項)を収集して整理したうえで行う今回の業務内容は次の通り。  【検討のための基礎調査】
国等の指針・計画・マニュアルと過去の都道府県災害対策本部設置事例(令和6年能登半島地震を含む)及び近隣2府4県(三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県)の計画・マニ ュアル等を参照することにより、災害対策本部を構成する機能と規模や施設及び設備とゾーニング等 を調査・整理する。
【県災害対策本部機能の現況整理】
奈良県の地域防災計画や各種要領等を整理するとともに、現行の応急対策活動に関する機能・スペース・規模について現状と課題を整理する。 応急対策活動を継続するうえでの施設面における機能(休憩室、シャワー室等)など職員が活動に従事するための現況を分析する。なお、必要に応じて関係職員に聞取り調査を行うこととしているため、その調査項目については受注者が整理し、発注者が項目に基づき調査を行うことを基本とする。
【他府県災害対策本部機能との傍証評価】
現状の県災害対策本部機能と他府県(近隣2府4県及び他内陸県)の本部機能との傍証を実施し、結果をとりまとめた比較表を作成する。なお、評価は①機能に関する評価として機能の項目と内容(災害対策本部を構成する各諸室の機能の内容など)・各機能の連携のしやすさ(知事室と災害対策本部室の距離関係など)・活動のしやすさ(トイレ、仮眠室など活動のための諸室など)②スペース(収容)に関する評価として各諸室の面積・スペースと規模・外部関係機関のための駐車スペースの規模③安全に関する評価として災害リスクに対する司令塔としての安全性・災害リスクに対する外部からのアクセスに関する安全性④その他の評価として平時/災害時の転用と移行に関する評価・資機材に関する評価(特徴的な資機材など)の項目により実施することとし、他に評価項目が必要な場合は発注者と協議のうえで追加評価項目を検討すること。
【県災害対策本部の施設運用方針案の検討】
以上の検証や評価を踏まえて以下の観点から大規模災害時に適切に対応するための県庁舎等施設の運用の方向性とめざす姿をとりまとめた「施設運用方針案」を作成する。特に大規模災害時には各種関係機関の応援が必要となることから関係機関別に必要となる活動スペースの検討を行う。なお、めざす奈良県災害対策本部の方向性は「災害対策本部施設に求められる機能」「災害対策本部施設に必要となる各諸室の規模」「めざすべき災害対策本部の空間的レイアウト」―の3点。
▽短期的な施設運用方針案=現状の県庁舎機能で発災した場合に備え、応急対策活動を想定したうえで既存の県庁舎を利活用する場合の短期的な施設運用方針案を検討する。既存の県庁舎の利活用による本部機能の運用 は現況の応急対策活動スペースと機能に加え、県庁舎内の他スペースと機能の状況を踏まえて立案する(1パターン)。
▽中長期的な施設運用方針案=施設の改修等を視野に入れた中長期的な施設運用方針案を検討する①県庁舎近隣施設等の利用を含めた本部機能の運用として既存の県庁舎に加え近隣の県有施設(今後整備予定の施設を含む)や民間施設等のスペースと機能等を調査したうえで立案する(1パターン)②施設の改修等も含めた本部機能の整備及び運用として県庁舎を含む既存施設や県有低・未利用資産の改修等による施設整備について概ね2パターン程度の方針案を検討する。なお、各パターンについて整備イメージ図と概算費用及び概算スケジュールの検討を行う。
整備イメージ図は各諸室の名称・機能と概ねの面積及び想定活動人数の把握を目的としており、これらが把握可能となるように作成する(図面上の寸法は必ずしも正確なものではなくて構わない)。概算費用については同種の官公庁施設の改修事業や整備事業の面積当たり単価などを参考と して算出する。概算スケジュールは四半期単位で整理するものとし、各年次で必要となる事業(概略設計、詳細設計、内装工事など)を整理する。
【報告書の作成】
検討内容を取りまとめるとともに、次年度以降に検討すべき項目を抽出し、業務として取り組んだ事項を整理した検討結果報告書を作成する。また、図表等を用いた視認性の高い方法によりその概要(A4で5枚程度)を作成する。

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