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県経営支援課 県営競輪場老朽化対策検討調査 松田平田設計に委託 「存続」前提に活用法を議論へ
2024.10.4 県産業・観光・雇用振興部
奈良県産業部経営支援課は、平成24年度から奈良県営競輪あり方委員会において存廃を含めた今後のあり方 について議論を行っている奈良県営競輪事業について、老朽化した施設への対応も議論がなされている。一部の主要な建物においては耐震性能が不足しており、立入禁止としているものや近い将来に標準耐用年数を迎えるものもある。そこで競輪場施設等の老朽化対策の検討調査を令和6年度に委託して実施する。
一般競争入札「奈良県営競輪場老朽化対策検討調査委託」を開札、落札した松田平田設計(東京都港区元赤坂1―5―17)に業務を委託した。業務場所は奈良市秋篠町。委託期間7年2月28日。
県営競輪事業は「平成25年度以降は黒字で推移しており、現在の経営状況及び施設整備を含めた今後の収支見込みでは、令和4年度以降も継続可能な状況である」とする一方、「新型コロナウイルス感染症の影響について、今後の開催状況及び収支変動等を注視する必要がある」ため「4年度~8年度の5年間は引き続き競輪事業を実施するとともに、経営安定化を図る期間とする」とした。
今年7月には第24回の県営競輪あり方委員会を開催し、このなかで「あり方を検討する段階はもう十分過ぎてきている。その先の提案をして良いのではないか」との委員からの意見もあり、次回から存続させること前提でその活用の仕方をどうするかとの方向で議論される見通し。担当は商工団体・地域産業振興係(電話0742―27―8804)。業務内容は次の通り。11月下旬に中間報告書、7年2月下旬に報告書を提出する。
▽既存施設、設備等の現状把握=競輪場内の既存施設及び設備等(建築物、電気設備、機械設備及び外構等の工作物を含む)について、既往の点検記録や図面等を基礎資料として目視(非破壊)及び施設管理者への必要な聴取等による現況調査を行う。動作確認が必要な設備は動作確認を実施する。
▽必要な機能・規模の検討=既存施設等の各室の用途及び使用状況を整理するとともに、来場者数等の外的要因も踏まえつつ、 他の競輪場を参考に必要な機能及び規模を検討する。
▽老朽化対策として 整備が必要な施設の検討=既存施設等のうち老朽化対策が必要なものを抽出する。老朽化対策を行う場合における建築物・施設等について、必要な機能・規模などを踏まえた施設整備の方向性及び集約化の要否を検討し、不要な建物については除却も検討する。また、現状において不足している機能がある場合にはその解消方法についても検討する。
▽老朽化対策実施に係る関係法令との適合及び必要な許認可等の整理=老朽化対策を実施するに当たって必要となる建築行為・開発行為等に係る関係法令との適合性を確認するとともに、その進め方の手順・方法・スケジュール等を整理する。加えて競輪場として、また 県有施設として考慮すべき法令(自転車競技法、 健康増進法の一部を改正する法律〈受動喫煙防止関係〉及び 奈良県住みよい福祉のまちづくり条例)等についても整理する。
▽整備の手法及びスケジュール案の作成並びに想定事業費の算出=老朽化対策実施のための整備手法について民間事業者のノウハウ活用等を含む複数の案及びその実施スケジュールを検討し、 県が別途 提示する期限までに施工完了できる案を作成する。加えて必要な想定事業費の算出を行う。(吹上)