一般記事
県脱炭素・水素推進課 令和32年の構築へ 「郡山IC」付近に水素需要 南部東部で小水力発電等
2024.9.27 県水循環・森林・景観環境部
9月26日①面関連
奈良県環境森林部脱炭素・水素社会推進課では、地勢的要件と系統制約から規模の大きい水力・風力発電を導入するには限界があり、脱炭素社会の構築には太陽光発電の導入と水素利活用が重要。水素は利用段階で二酸化炭素を排出しないうえに、再生可能エネルギーを含めた多様なエネルギー源から製造でき、エネルギー供給の安定化を図ることが可能。
国では、水素エネルギーの導入を推進しているが、水素利活用の検討は海外水素の輸入とその流通が見込める港湾部に近いエリアが中心であるため、奈良県のような「内陸型」の水素利活用モデルを確立することは、日本全体の水素戦略の実現とエネルギー安全保障の観点からも重要。
今年度に「(仮称)奈良県脱炭素戦略」の策定作業を進めており、戦略を検討するなかで県北西部エリアでは交通結節点である「郡山IC」付近に水素需要が潜在していること、県南部東部エリアでは小水力発電等の再生可能エネルギーのポテンシャルはあるが、水素需要の創出が課題であることが分かってきた。
そこで令和32年の脱炭素・水素社会の構築に向け、地域特性に応じた水素エネルギー等の導入可能性を公募型プロポーザル「水素エネルギー等導入に向けた基本調査業務委託」により調査する。担当は脱炭素企画係(電話0742―27―8031)。業務内容は次の通り。 【県北西部エリア(水素ステーション整備候補地域)での水素エネルギー等導入検討】
▽水素需要量の試算=水素ステーション整備候補地域での水素需要量を試算する。
▽水素供給手段の検討=県の地域特性を踏まえ水素供給手段について複数案で比較する。
▽水素製造に係る電力量等の試算=水素需要量に対して水の電気分解により水素製造した場合に必要な電力量や水量等を試算する。なお、電力量の試算に関しては、県有地等(ため池、ダム、治山堰堤含む)の有効活用を踏まえ、再生可能エネルギーの設備容量や規模を提示すること。
▽水素供給手段の整理・提案=水素調達可能量、水素調達価格(取得価格)、事業継続性、必要設備及び面積(想定)、運搬頻度、水素の種類(グレー、グリーンなど)、水素製造地、CO2削減効果、経済性等を踏まえ、現時点で考えられる供給手段を整理・提案する。
▽類似事例の調査=先行事例を調査し、施設規模・施設機能・整備費・運営費・運営形態について整理する。
▽民間ヒアリング=検討した内容等について民間事業者へのヒアリング調査を実施し、民間事業者の意見・要望や参画意向や条件を把握する。
▽事業スケジュール=以上の検討を踏まえ、水素ステーションや水素製造拠点の整備スケジュール等を提案する。
【県南部東部エリアでの水素エネルギー等導入検討】
▽再生可能エネルギー導入可能性調査=県南部東部エリアでの太陽光や小水力等の再生可能エネルギー導入ポテンシャルを調査する。特にポテンシャルの高い地域においては現地調査を行い、設備導入に関する諸条件や発電量試算等を行う。
▽水素利活用方策の検討=検討した結果を踏まえ、発電した電気の使途(地産地消、余剰電力を活用した水素製造など)を検討したうえで当該エリアでの水素利活用方策について複数案で比較する。
【有利な財源の確保に向けたコンセプト作成支援】
検討した結果を踏まえて活用できる有利な財源を検討し、提案する。また、有利な財源を活用するための申請に当たり、コンセプト作成支援(当該財源の内容と申請に当たっての加点・採点ポイントを基に申請書作成の要点等をまとめる等)や関連情報の整理を行う。但し、現場調整等が必要な場合は県が行う。