一般記事

長寿命化計画を策定へ まほろば健康パーク公園施設 ライフサイクルコスト縮減へ 計画的な改築・更新の実施を マラソンコース含む約13㌶対象に

2024.9.26 県中和公園事務所

 奈良県中和公園事務所は、まほろば健康パークにおけるすべての公園施設について、老朽化の進展に対する安全対策の強化と将来の改築・更新に係るコストの縮減や平準化を図る観点から、令和6年度に適切な施設点検・維持補修等の予防保全的管理の下で既存ストックの長寿命化対策及び計画的な改築・更新を行うため、健全度調査と健全度・緊急度判定を実施して「公園施設長寿命化計画」を策定する。
 一般競争入札「まほろば健康パーク公園施設長寿命化計画策定業務委託(単独都市計画公園事業第761―委5号」を10月15日に開札して業務を委託する。参加するには平成26年度以降公告日(9月19日)までに完了した国または都道府県が発注した「公園施設長寿命化計画」業務の元請実績(契約が異なる複数の業務での実績も可。但し1契約での実績に限る)を有することが必要。
業務場所は大和郡山市額田部南町・川西町下永。業務は公園施設長寿命化計画策定業務1式。委託期間7年3月28日。予定価格2297万9000円込、調査基準価格1843万6000円込。本庁の担当は県土マネジメント部まちづくり推進局公園企画課都市公園係(電話0742―27―8069)。
 まほろば健康パークは、スポーツと憩いの広場を提供するため、県内初のPFI手法により健康増進施設・競技施設・管理等施設及び公園機能施設を一体的に整備し、平成26年に再開園(11・8㌶)した。業務対象範囲(図参照)は周辺道路(マラソンコース)を含めた約13㌶。打合せ協議は業務着手時・中間3回・納品時の計5回行う。業務内容は次の通り。業務実施後に照査を行い、報告書とその概要書をとりまとめる。
 【計画準備(施設カルテ〈健全度調査票〉のデータベース化】
 公園名称・種別・面積・開園年度等の基礎情報を整理するとともに、それぞれの公園に設置されている公園施設について施設種別・製造者・設置年数等の情報を収集し、計画対象施設を選定する。併せて施設ごとに「予防保全型」「事後保全型」管理を行う施設に区分する。
 今後の長寿命化計画の見直しに対応できるように対象施設ごとに、公園施設種別・構造部材・設置年度・工事概要と修繕・補修・点検記録等の基礎情報を細分化・関連付けを行って施設の劣化状況等を個別に抽出できる機能や長寿命化対策(修繕・改築)の有無による長寿命化効果が把握できるように①公園及び定期点検の追加・更新等の反映②日常点検や定期点検の結果(健全度調査を含む)の管理・反映③補修及び改築等に要する費用の見直し結果の反映④長寿命化対策事業の実施有無の効果の把握⑤この業務以降の健全度調査結果に基づく補修・改築等の実施時期の再検討⑥長寿命化対策の実施効果(ライフサイクルコストの縮減効果)⑦長寿命化計画調書(様式)の出力―等の機能を付与する。
 【予備調査】
 整理した施設カルテを基に現地調査により公園施設の管理状況や利用状況及び劣化や損傷の概要を把握し、その結果から施設カルテを作成する。業務対象範囲内に存在する計画対象施設の数量・規模を調査してとりまとめる。予防保全型管理対象施設を確定する。
 事後保全型管理を行う施設について劣化や損傷の状況確認を目視と触診・聴診・打診等により行い、施設カルテに記録する。
 【健全度調査及び健全度・緊急度判定】
 予備調査により予防保全型管理を行う施設を対象に①一般施設②遊具③土木構造物④建築物⑤各種設備―の施設分類ごとに、目視等による施設調査を基本に劣化状況や施設とその周辺のハザードの有無について健全度調査及び健全度・緊急度判定を行い、その結果と写真を施設カルテに整理する。判定結果に基づいて予防保全的管理を行う施設における長寿命化対策の時期や具体的対策内容について検討する。
 【公園施設長寿命化計画の策定】
 ▽基本方針の設定=①課題を整理して対策方法等も検討したうえで公園施設の長寿命化のための基本方針②各施設の持つ安全性・快適性・景観性・利便性等の機能を明確にしたうえで劣化予測や耐用年数を超過している施設の対応、経過年数・規模・安全性や利用頻度など施設の重要度及び更新時の搬出入経路等を考慮した施設更新の優先度設定、施設別の点検・管理の頻度や実施体制など日常的な維持保全に関する基本方針―を設定する。
 ▽ライフサイクルコストの算出=長寿命化対策を実施した場合としなかった場合の補修・改築コストを算出し、単年度当たりのライフサイクルコスト縮減額を算出する。
 ▽公園施設長寿命化計画の検討=公園施設に望まれる維持管理方法を踏まえたライフサイクルコストを積み上げ、各公園施設の維持・更新に必要とされる費用を算出する。維持管理費や年間の改修費との費用比較を行って長寿命化対策による効果を明確にする。現実的な計画となるように、施設の重要度や経過年数・耐用年数等の諸条件による優先度を検討し、平準化シミュレーションを実施する。
 ▽公園施設長寿命化計画の策定=計画期間は10年で①対象公園施設(種類別の数、これまでの維持管理状況と設定理由)②健全度を把握するための点検調査結果の概要③日常的な維持保全に関する基本方針④公園施設の長寿命化のための基本方針⑤健全度調査結果と長寿命化に向けた具体的対策・対策内容・時期等⑥計画全体の長寿命化対策の実施効果(ライフサイクルコスト縮減額)―をとりまとめる。

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