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下水道マネジメント課 導入へ向け概略検討を 第二浄化消化ガス発電設備等 下水汚泥肥料化導入可能性も検討

2024.9.10 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部下水道マネジメント課は、第二浄化センターにおける汚泥消化タンク及び下水汚泥を利用した脱炭素化技術(消化ガス発電・水素製造技術・メタネーション等)の導入に向け、汚泥消化タンク設置により得られる消化ガス量及び減量汚泥量等を踏まえて施設計画及び事業手法を検討する。また、令和5年3月17日に発出された「発生汚泥等の処理に関する基本的考え方について」に基づき、下水汚泥を利用した肥料利用について、導入可能性の検討を行う。
県建設産業課で一般競争入札「第二浄化センターにおける消化ガス発電設備等導入概略検討業務委託(社会資本整備総合交付金事業)R6第二委第8号」を9月26日に開札して業務を委託する。業務場所は広陵町萱野。業務概要は消化ガス発電設備等導入概略検討1式、下水汚泥肥料化導入可能性検討1式。委託期間7年10月31日。予定価格3513万4000円込、調査基準価格2819万3000円込。担当は企画係(電話0742―27―7526)。業務内容は次の通り。
【基本事項の整理】
汚泥処理の状況を整理し、汚泥処理量及び汚泥性状・成分を整理する。また、将来の下水道計画について整理を行い、ストックマネジメント計画と広域化・共同化計画及びウォーターPPPやまほろばゼロカーボン推進事業等を踏まえた将来スケジュールと電力使用量及び下水汚泥発生量等をとりまとめる。また、近年の下水汚泥発生状況を勘案し、発生汚泥量の予測を行う。汚泥消化タンクと下水汚泥を利用した脱炭素化技術及び下水汚泥の肥料化に関する最新技術及び法規制等について整理を行う。
【課題の整理】
現在の下水汚泥処理状況及び将来の下水道計画の整理及び将来予測状況等から汚泥消化タンクと下水汚泥を利用した脱炭素化技術及び肥料化に対する課題を整理する。併せてコンポスト等の肥料利用の適否について、重金属分析結果から肥料化した際の重金属濃度が許容値を満足しているかの確認を行う。
【汚泥消化タンク、下水汚泥を利用した脱炭素化技術及び下水汚泥肥料化導入効果の検討】
▽検討ケースの設定=下水汚泥を有効利用するに当たり汚泥消化タンクの導入について汚泥処理量と消化ガス発生量及び減量汚泥量等を踏まえて仕様と能力等を検討する。また、下水汚泥を利用した消化ガス発電・水素製造技術・メタネーションその他の脱炭素化技術の導入においては消化ガス発生量及び減量汚泥量等を踏まえて複数の検討ケースを設定する。下水汚泥の肥料化について汚泥消化タンクの導入を前提としたうえで第二浄化センターのセメント資源化棟の活用可能性も踏まえて複数の検討ケースを設定する。
▽市場性の検討=JAと汚泥運搬業者や処分業者等及び関係者との連携体制の構築、地域内での肥料需要の調査・分析と需要の拡大に向けた取組みの検討、流通経路についてヒアリングを行う。
▽経済性及び環境性の検討=建設費及び維持管理費を含むライフサイクルコストの比較を行う。比較に当たっては各種マニュアルによる費用関数等を用いて算出を行って現状の処理方法を継続した場合と比較する。費用比較においては肥料販売費などを勘案して整理する。また、処理に必要な電力及び燃料の消費エネルギーと処理に伴う温室効果ガス排出量を算定し、CO2に換算した場合の排出量により環境性の比較検討を行う。CO2の算出は「下水道における地球温暖化対策マニュアル」等を参考にする。有効利用に伴うCO2排出削減については下水道事業外であっても考慮する。
▽まほろばゼロカーボン推進事業に伴う影響の検討=汚泥消化タンク及び下水汚泥を利用した脱炭素化技術の導入検討においてまほろばゼロカーボン推進事業における太陽光発電設備等の設置を予定しているため、同事業の計画内容を確認・整理し、下水汚泥を利用した脱炭素化技術の導入における適切な計画を検討する。検討を行うに当たり第二浄化センター施設管理者・運転管理者・まほろばゼロカーボン推進事業の受注者へのヒアリングを実施する。
▽最適ケースの選定=検討ケースに対して最適な有効利用方法について総合的に評価を行って選定を行う。
【意向調査】
汚泥消化タンクと下水汚泥を利用した脱炭素化技術及び肥料化について実施主体やPPP/PFI適用可能性の検討を行う。意向調査は汚泥消化タンクと下水汚泥を利用した脱炭素化技術及び肥料化の技術を保有するメーカーや維持管理業者と肥料メーカー及びJA等へ行う。意向調査において参画意向のある業者に対して具体的な事業費や流通経路とPPP/PFI手法適用可能性について詳細な内容をヒアリングする。
【事業方式の検討】
汚泥消化タンク及び下水汚泥を利用した脱炭素化技術の導入について事業方式を検討するに当たり①法制度の確認②適用可能な助成制度の整理③ウォーターPPPとの関連性の検討④事業方式の整理(PPP/PFIや公設公営等事業方式候補を検討する)⑤VFMの算出⑥事業スケジュールの提案⑦概算費用の算出―を実施する。
【資料の作成】
「奈良県公共事業新規事業採択時評価」の必要資料として①事業の必要性、緊急性など事業実施の妥当性②上位計画等の位置付け③整備効果など事業の有効性(便益比等)④コスト縮減への取組み⑤地元情勢等⑥他計画または他事業との関連、「下水道脱炭素化推進事業計画」を作成する。
【報告書の作成】
調査内容と検討内容及び検討結果等を整理して業務報告書にとりまとめる。計画実施に向けて次年度以降の業務に繋がるように具体的に課題等を整理する。

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