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県公園企画課 拠点ゾーンあり方検討 平城宮跡歴史公園の見直しで オリコンと契約、業務進む 魅力の抜本的強化をめざす

2024.8.16 県地域デザイン推進局

 奈良県県土マネジメント部まちづくり推進局公園企画課は、山下真知事による平城宮跡歴史公園に係る計画の見直しに伴い、令和6年度に過年度業務の成果を基に、拠点ゾーン全体のさらなる賑わいや魅力向上のため既存の県営施設と平城宮跡南側地区及び朱雀大路東側地区のあり方を検討するとともに、6年度に開催される観光戦略本部の部会に諮る資料を作成する。
 建設産業課で一般競争入札「平城宮跡歴史公園県営公園区域あり方検討業務委託(平城宮跡の利活用推進事業(南側地区・単独公共)他)第911―委―1・931―委―1号」を開札、落札したオリエンタルコンサルタンツ奈良事務所(奈良市大宮町5―3―14不動ビル)に委託して業務を進めている。業務場所は奈良市三条大路4丁目他。業務概要は計画内容の検討及び設定、有識者委員会の運営支援。委託期間7年3月31日。担当は歴史公園係(電話0742―27―8945)。
山下県知事が5年度県予算の執行を査定し、朱雀大路東側・平城宮跡南側の整備について「平城宮跡歴史公園は、さらなる賑わいや魅力向上が必要であるが、新たな建物の建設を前提とするのではなく、必要があれば既存の施設を活用しつつ、今後のあり方を再検討し、観光地としての魅力の抜本的強化に取り組む。このため国とも協議しながら、東側・南側エリアともに、公園としての利活用の可能性も含め今後のあり方を再検討する」としたことから、あり方を検討するもの。
 平城宮跡歴史公園の拠点ゾーンは、『国営飛鳥・平城宮跡歴史公園 平城宮跡区域基本計画』『平城宮跡歴史公園 県営公園区域基本計画』及び『平城宮跡歴史公園拠点ゾーン整備計画』に基づき、国土交通省と奈良県が連携し、整備を順次進めてきた。県営公園区域の今後のあり方を再検討することとし、5年度に民間活力導入の可能性の検討や観光客等へのアンケート調査を行った。業務内容は次の通り。
【現況把握】
計画方針の設定に必要なデータの収集と主要な条件に対する確認のため、検討の参考となる上位・関連計画、発掘成果等を含む過年度成果、関連業務、法制度、世界遺産関連等の基本的条件、その他の情報等を整理し、現状を把握する。
【敷地分析】
現状把握により得られたデータを敷地の改変の難易、レクリエーション利用、文化財の保存・保全等の観点から公園計画において考慮すべき項目から分析し、業務対象区域の持つ固有の特性を明らかにし、周辺区域の現在の土地利用状況・施設及び交通状況等の敷地分析を行い、計画区域の特性をまとめ、それらに起因する問題点を把握する。
【計画内容の検討及び設定】
前項の内容を踏まえて次の手順により既存の県営施設と平城宮跡南側地区及び朱雀大路東側地区に整備予定の施設(ハード)について位置・規模及び内容を検討するとともに、イベント等賑わい創出のための手法(ソフト)についても検討する。
▽計画内容の検討=公園の持っている位置付け、事業費の規模、整備スケジュール、利用者の想定、住民の要望等を把握し、基本構想の内容と照合しつつ計画内容設定の与条件として整理する。
▽計画方針の設定=現況把握及び敷地分析に基づき計画を策定するうえで留意すべき事項等(公園の目的、意義、担うべき機能、敷地分析により抽出された問題点の解決方針、施設導入〈ハード〉及び賑わい創出〈ソフト〉の基本的な考え方、利用者層、利用圏等の設定による需要予測、管理運営の基本的な考え方等)を基本方針としてまとめる。
▽ゾーニング=計画方針、敷地条件、地域の特性等を考慮して計画地内の土地利用の概要を定め、導入すべき機能をゾーンとして配置し、その規模・形状・ゾーン間の関連付け等を定める。
▽施設の配置計画=ゾーニングに基づいて各々のゾーンが持つべき機能を有する施設を選定し、概略の規模と位置を設定する。
▽賑わい創出のための手法=県営公園区域において賑わいを創出ための手法(祭、体験型イベント、展示等)を検討する。
【計画図の作成】
平城宮跡南側地区及び朱雀大路東側地区において貸与する実測平面図(1/500)により設定した機能及び施設の配置等を計画図としてまとめる。
【概算工事費の算出】
基本計画図に基づいて整備に必要な概算の費用(工事費及び維持管理費)及び賑わい創出のために必要となる費用「事業費」を算出する。また、事業費は県と民間(民間活力導入予定)のそれぞれで算出する。
【鳥瞰図及び透視図の作成】
基本計画図に基づいて整備後の平城宮跡歴史公園県営公園区域全体が分かるイメージパース(A3。鳥瞰図及びアイレベルでの立体図計6枚を想定)を作成する。
【有識者委員会の運営支援】
整備方針の検討に当たり有識者から意見聴取する委員会(観光戦略本部の部会)の運営を行う。開催回数は4回(この業務での対象は3回)を想定し、会場準備と会議資料・議事録の作成を行う。委員は10人を想定。第1回6年5月(業務対象外)、第2回9月、第3回12月、第4回7年2月。
【関連業務との連携】
6年度実施予定の関連業務「(仮称)平城宮跡歴史公園官民連携を踏まえた公園整備検討業務委託(平城宮跡の利活用推進事業(南側整備・社会資本)他)」と当該業務とは一体不可分なものであるため、業務の進捗状況に応じて業務内容の相互調整を行う。
【照査】
基本計画の妥当性と成果品の内容の適正さについて照査する。
【報告書の作成】
現地の状況を示す写真を整理し、業務項目ごとに検討過程を含めとりまとめる。また、検討や解析に使用した理論と公式の引用及び文献等並びにその計算過程を明記する。

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