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近畿地整 災害に備えて国土強靭化 長谷川新局長が就任記者会見

2024.6.6 近畿地方整備局

 近畿地方整備局の長谷川朋弘新局長が5月29日、就任記者会見を行い、今後の取り組みや思いを述べた。
 昭和40年に神奈川県横浜市に生まれ、平成4年3月に東京大学大学院工学系研究科を修了後、建設省に採用。多年にわたって道路局に在籍し、関東を中心に稼働した。今年の5月17日付に近畿地整の新局長に就任。ドライブが趣味だという。奥様が和歌山県出身で、「近畿地方は故郷でもある」と話した。
 奈良県で重点的に取り組みたい事業については「事業の大小はあるが、どれも重要だと捉えている。国道169号ではインフラに影響する災害があった。安全の観点からも、国土強靭化対策に関する事業や、交通安全のための事業、事前防災は大切だと思う」と答えた。
 新局長として取り組みたい指針は次の3つ。
【防災・減災、国土強靭化】
 近畿地整は、今年の元旦に能登半島地震が発生したことを受け、1月3日~3月22日にかけて延べ2198人を動員。昨年の通常国会で改正国土強靭化基本法が成立したことや、南海トラフ地震に備えて、流域治水や老朽化対策、道路ネットワークの整備、ミッシングリンクの解消など、事前防災及び減災を計画的・迅速的に推進する。
【関西経済を支えるインフラ整備】
 来年4月には大阪関西万博が開催。来場者の円滑な輸送に向けて関係機関との連携を進めていく。また、福井県敦賀市まで延伸した北陸新幹線が今年3月に開業。JR大阪駅北側では公園や複合ビルを整備し、再開発を進めている。この通称「うめきた地区」の先行まちびらきについては9月を予定している。これら大型プロジェクトに触れつつ、「医療、サイエンスに加えて新エネルギー、カーボンニュートラルの新しい課題に対応していきたい。引き続き道路ネットワークシステムの整備に力を入れ、交通結束点エリアのまちづくりや、再開発のインフラ整備に向けて、自治体や経済産業界と連携を進めていく。物流網の強化を狙える国際コンテナ戦略等についても取り組んでいきたい」と話した。
【建設業界の働き方改革】
 今年度から建設業界でも時間外労働に罰則が設けられた。近畿地整はこれまでも人材不足に対応するため、給与や休暇の改善を行ってきた。12年連続で労務単価を引き上げ、賃上げに取り組んだ企業については、総合評価落札方式による全ての調達で加点措置を講じた。「週休2日制を常態化できるようにしたい。書類の簡素化に努め、土日休みの体制を徹底させていこうと考えている。生産性向上に資するプレキャスト化や遠隔技術、ICT化にも注力し、若い人が魅力に感じるような環境をつくることができたら」と決意を新たにした。
(岡本)

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