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国営飛鳥歴史公園 老朽化対策やトイレ整備など 高松塚周辺地区再整備方針

2024.5.21 近畿地方整備局

 近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所は、「国営飛鳥歴史公園高松塚周辺地区再整備方針」を公表。同方針の検討と作成は建設環境研究所が担当した。 
同地区は開園から35年余りが経過。老朽化をはじめとした課題が顕在化する一方、同地区を取り巻く状況も変化している。例えば、飛鳥・藤原の世界遺産登録を目指す取組や、同地区に高松塚古墳壁画保存管理公開活用施設(仮称)を設置する検討などがある。これらを踏まえ、同地区が飛鳥地方における歴史的風土の景観を保存する拠点として、機能充実に向けた方向性について整理し、必要な対応をハード・ソフトの両面から再整備する。 
 石舞台古墳、国営飛鳥歴史公園館、高松塚壁画館、四神の館を合わせた入場者数は、明日香村内の主要観光施設全体の半数を超える。バリアフリーや駐車場、休憩施設の充実、交通時における案内のわかりやすさ等を求める意見が寄せられていた。公園管理センターからは樹木の成長等により眺望景観の魅力が減少しつつあると意見があった。
 このようなことから再整備方針を3つ提示した。内容は次のとおり。①遺跡を含む地域の成立過程や往時の社会・文化的背景を知り、文化財を保存する意義と重要性をより深く体できるようなランドスケープの形態を図る②飛鳥地方全体のゲートウェイとして機能の向上を図る③老朽化に伴う施設の更新にあわせて安全性や快適性の向上を図る。
 これらの方針に伴い、実施される取組は9つ。次は一部抜粋したもの。①同地区、更には飛鳥地方全体に展開する歴史体感ストーリーを構築②地区全体の案内・展示機能の充実及び、分かりやすい動線の設定。県道西側エリア~東側エリア、更には周辺地域への連続性を強化③植生景観の目標像に向けて樹木の除伐や更新④高松塚古墳壁画保存管理公開活用施設(仮称)を地区内県道西側へ設置できるように協力⑤施設老朽化等に対応した同公園館の更新。案内・展示機能やスペースの有効活用を図る。多様な主体からニーズを図り、魅力的な施設へ⑥公園事務所、管理センター、ボランティア活動スペース等の施設を同公園館内に引き続き設置⑦外国人旅行客を含め、誰にでも分かりやすい案内ができるように、最新のデジタル技術やコンテンツを導入するなど、案内・展示機能におけるハード・ソフト両面の再整備⑧同公園館周辺の駐車台数の確保や転回スペース、休憩所・トイレの機能維持の再整備⑨園路やトイレ等の老朽化した施設をユニバーサルデザインに配慮して再整備。

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