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県道路マネジメント課 斜面の状態を調査へ 国道425号下北山村大瀬崩土
2024.4.30 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部道路マネジメント課は去る12日、国道425号下北山村大瀬において発生した崩土について、道路防災ドクター(近畿地方整備局)により現地調査を実施し、診断内容を公表した。崩土は11日早朝に発生。物損、人身等の被害や孤立集落はなかった。
道路防災ドクターによると、崩土しやすい高角度の流れ盤に割れ目が多数存在している。植物の根の伸長等による割れ目の拡大がきっかけとなって岩盤が崩落。落ち残りがあるため、作業中も注意する必要がある。周辺にも同じように岩盤に割れ目が生じている箇所があり、いつ落ちるかわからないため、ただちに落石防止網を外すのは危険。まずは、岩盤の割れ目の頻度、方向性、状態等を調査し、道路法面の危険箇所マッピングを行うことが検討されている。
危険箇所マッピングを作成する場合には、岩体の冷却や流動によって形成される割れ目(=節理)の入り方、風化の程度、割れ目の開口幅、湧水・表面水の有無、植生等に着目し、実施する必要がある。路線全体的に節理が発達し、割れ目が見られるため、区間を定めて調査・対策を行うことが提案された。
崩土した崖の平均勾配は今のところ不明だが、ほぼ垂直にある。調査方法が検討されており、人力での調査は困難であるとして、UAV測量などが挙げられている。ボーリング調査の予定はない。節理の種類は今後の調査で明らかになる。
今後、危険箇所マッピングを作成し、その結果によって対策工の検討を行う。安全確保のため簡単な吹付等を実施しつつ、不安定岩塊を落として斜面の状態を確認。その後、改めて対策工を検討する。