一般記事
県広域水道企業団の台帳管理へ 水道施設調書を作成 一般競争入札を12月21日に開札
2023.11.30 県水道局
奈良県水道局は、令和7年4月より奈良県広域水道企業団の事業を開始することを目標に県域水道一体化を進めており、事業統合後に(仮称)水道施設台帳システム(台帳システム)の統一化に向けた検討を行い、管路及び施設・設備について施設管理及び資産管理の精度向上方針及び精度向上に必要なシステム構築の仕様等を5年度内に作成する。
一般競争入札「奈良県広域水道企業団における水道施設台帳の適切な管理に向けた施設調書作成業務委託」を12月21日に開札して業務を委託する。業務場所は奈良市法蓮町の県水道局内。業務概要は企業団施設調書作成業務1式。委託期間6年3月20日。入札情報は⑦面参照。
企業団構成団体は県、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、生駒市、香芝市、宇陀市、平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町、高取町、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町、吉野町、大淀町、下市町と磯城郡水道企業団。
水道事業は、水需要の減少による料金収入の減少と施設の老朽化による今後の更新需要の増大及び職員の減少による技術力の低下が課題となっている。これら課題の解決手段として、県域水道一体化を進めている。
企業団運営において「水道施設の適切な管理」をすることで施設等の点検・補修履歴を適切に把握して老朽化等に起因する事故防止や施設の長寿命化を図り、「大規模災害時等の危機管理体制の強化」をすることで災害発生時に円滑に応援活動ができるよう、水道施設の基礎情報を整備して保管する。また「水道施設の計画的な更新」をすることで保有資産の老朽化等の情報把握を踏まえた更新需要の平準化及び長期的な収支見通し(水道料金の算定等)への活用が可能となる。
今後の水需要減少を踏まえた施設規模の最適化と投資の効率化を行うとともに、基幹管路や重要給水施設への管路を計画的に更新等していくためには、関係団体における水道施設の位置・構造・設置時期等の施設管理上の基礎的事項を記載した「水道施設台帳」を整備しておくことは、水道施設の適切な維持管理・更新を行ううえで必要不可欠であるとともに、災害時等の危機管理体制の強化のためにも必要。
また、平成30年の水道法改正により水道施設台帳の整備が義務付けられて水道台帳の作成、精度の均一化が急務となっている。現在「水道施設台帳」は、団体ごとに独自の管理システム(管路マッピングシステム、施設台帳システム)等で管理されているが、紙ベースで管理している事業体や点検・補修・更新履歴の把握が適切に行われていない事業体が多く、以上の目的のための利用に支障が生じる状況である。また、固定資産台帳と連携ができていないため補修・更新履歴の整合がとれていない。
今後、水道施設台帳システムは事業統合後に統一することを目標として、企業団において把握すべき水道施設(施設・設備、管路)の管理項目を定める。その際に先行して整備する財務会計システム(固定資産台帳システム)への更新履歴の反映や施設単位等が整合するよう調整を図る。補修や中・長期的な視点に立った技術基盤に基づく計画的・効率的な改築・更新や維持管理を行うために情報の一元管理は必須であり、システム統一化に向けた検討を行い、管路及び施設・設備について関係団体の台帳等に不備・不明な箇所を明確にし、資料整理やデータ整備の依頼を行う。そして施設管理及び資産管理の精度向上方針及び精度向上に必要なシステム構築の仕様等を作成する。