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高校生合同出前講座 プロの技術に触れる
2023.11.28 組合団体
今年も奈良県建設業協会が主催する「高校生合同出前講座」が、県立高等技術専門校(三宅町石見440)で11月21日に開催された。
出前講座は、実際に建設現場で稼働するプロが高校生に直接、技術を指導するもの。今年は県下3校(奈良商工高等学校から35名、奈良南高等学校から9名、高等技術専門校から17名)の総勢約60名の学生が参加した。
高校2年生が対象で、年齢は10代~60代と幅広い。関西鉄筋工業協同組合、関西圧接業協同組合、奈良県測量設計業協会から、建設現場で働く職人が講師として指導し、授業では体験できない実習を行った。
実習は午前と午後の部があり、1班4名~7名で構成される。講座時間は、圧接に20分、鉄筋に計60分、測量に70分設けられた。
鉄筋は技能検定1級モデルを使用し、RC造の柱と梁の組立を行った。実習では班の全員で模型を組み立てるが、検定時はこれを一人で行い、約1時間40分で仕上げなければならない。
溶接は1300度以上、温度が上昇し、講師が安全に配慮しながら屋外で一人ずつ体験。測量は、実際に現場で使用されているドローンを50㍍の高さまで飛行させた。最近はデジタル技術が浸透していることから、ドローンによる測量の導入が進んでいる。
関西鉄筋工業協組の福井祥平事務局長は「これから現場監督などに従事した際、専門外の知識があるとイメージがつきやすいので、少しでも助けになれば嬉しい。就職の糸口になれば有難く思う」と述べた。県建設業協会の森一臣参与は「建設業は社会の安心と安全を担っている。この機会に建設業への理解を深め、興味を広げてもらいたい」と思いを語った。
本講座が開催された高等技術専門校からは建築科、住宅設備科が参加。職業訓練の施設見学会について、12月中は6日・13日・20日に開催。入校選考の第1回募集期間は1月5日~31日。(岡本)