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県建設業・契約管理課 第1回委員会を開催 入札契約制度の今後のあり方検討 令和6年度からの導入をめざす
2023.11.10 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部建設業・契約管理課はさる6日、県の建設工事等に係る入札契約制度について、予定価格等の事後公表への移行など今後のあり方を検討するに当たり、専門的な立場からの意見を聴取するため奈良県建設工事等入札契約制度検討委員会を設置し、修徳ビル(奈良市登大路町5―1)中会議室で第1回委員会を開催した。
委員会では、予定価格及び最低制限価格(低入札価格調査基準価格)の事前公表から事後公表への移行や、総合評価落札方式のうち「技術提案評価型」の使い分けなど、入札契約制度に係る課題等について学識経験者等から成る有識者委員会で検討し、新しい入札契約制度の令和6年度の導入をめざす。
委員5名の互選により委員長に仁木恒夫大阪大学大学院法学研究科教授が選出された。他の委員は今治周平弁護士、植田麻衣子公認会計士、宇野伸宏京都大学大学院工学研究科教授(リモート参加)、熊谷礼子帝塚山大学経済経営学部教授。任期は2年。事務局の説明の後、今後の進め方についても話し合った。入札契約制度改革についての議題は次の通り。
【予定価格等の公表時期について】
現状は平成19年度に発生した予定価格漏洩事案を契機としてすべての工事等で予定価格と最低制限価格(低入札価格調査基準価格)の事前公表を行っている。
課題は入札価格が最低制限価格等に誘導されやすいため業者が適切な積算を行わないおそれがあることと、くじ引きによる落札が多発していること、さらに業者の真の技術力・経営力による競争を損ねるおそれがある等。
このため①予定価格及び最低制限価格(低入札価格調査基準価格)の事前公表・事後公表について、メリット・デメリットを再度評価したうえで検討を行う②入札時点における資材単価の上昇に対応するための方法を検討する③公表時期の検討に当たっては価格の情報漏洩対策についても対応を検討する。
【総合評価落札方式について】
現状は総合評価落札方式の対象工事において「技術提案評価型」を実施している。
課題として技術提案書の作成・審査に係る受注者・発注者の負担が大きいことと、難易度の低い工事では技術的な工夫の余地が少なく技術提案の作成が困難等。
このため①工事の難易度等に合わせて「技術提案評価型」「企業・技術者評価型」「総合評価落札方式を行わないもの」の使い分けを検討する②企業の施工実績の評価方法や成績評定の公表について検討する。