奈良県文化・教育・くらし創造部国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会準備室は、「橿原公苑施設整備等検討支援業務委託」の公募型プロポーザルについて、パシフィックコンサルタンツ奈良事務所（奈良市芝辻町４丁目２番地の２）を委託事業者に特定した。
８月１４日公告分は参加表明書の提出者が１者だったことから中止とし、今回の再公告に応募したのはパシフィックコンサルタンツのみ。提出された企画提案書等についてのプレゼンテーション及びヒアリングを行って評価基準に基づいて審査した結果、総合評価点４００点満点中２７５点で選定したもの。
　山下真知事が令和５年度奈良県予算の執行を査定し、スポーツ拠点の整備推進については「施設を新設するのではなく既存施設を有効活用することを基本とし、競技環境向上に必要な修繕や改修を大会後の有効活用も見据えて実施する」としており、早急に設定する必要がある施設仕様等を検討するもの。委託期間６年３月２２日。業務量の目安は９８５万６０００円込を限度とする。
　県では、１３年に既存施設を活用しつつ国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催を予定している。会場のひとつである県営橿原公苑については、開会式や競技開催をするには施設規模やバリアフリー化などの課題がある。１３年の本大会開催を考えると施設仕様等を早急に設定する必要があるため、この業務では施設仕様等の設定とその整備方法の検討及び整備イメージの作成を行うことを目的とする。
なお、この業務の委託事業者の選定に当たっては業務内容の理解力と高度な分析力及び技術力や創造力及び進捗管理能力を事業者評価の指標とし、委託業務に最も適した事業者を選定するため公募型プロポーザル方式で募集したもの。
　打合せ協議等は業務着手時・中間時３回・成果品納品時の計５回行う。担当の電話０７４２―２７―８９１０。業務目的を反映した作業方針を立案のうえ業務計画書を作成して業務の計画準備を行って実施する業務内容は次の通り。
　【施設整備の目的と課題】
▽条件確認・整理＝県が提供する資料（施設規模、利用団体、利用者数など）や計画地における法的条件を設計条件として整理するとともに、必要に応じて関係機関のヒアリングを実施する。
▽現地確認＝施設の使い勝手（主にバリアフリーの視点）や劣化状況などを把握するとともに、施工時に課題となる項目を整理する。
▽施設整備の目的と課題＝各種関連計画や庁内関係課における施設整備の目的を整理し、実現に向けての課題を整理する。
【事例調査】
施設の整備に係る先進事例を３施設程度整理し、当該施設を整備するための基礎資料として整理する。
【計画方針（コンセプト）案の作成】
各種関連計画や庁内関係課における施設整備の考え方を踏まえたうえで計画方針（コンセプト）案を作成する。
【施設仕様の設定】
▽導入機能・施設規模の検討＝計画方針案を踏まえて導入機能及び施設規模の検討を行う。
▽施設仕様の設定＝導入機能に合わせて施設仕様（床・壁の仕様、観客席仕様など）を検討する。
【施設整備の検討】
陸上競技場においては開会式のための改修、野球場においては国体基準への改修、第１・第２体育館においては改修及び合築の比較検討を行うことを前提に次の検討を行う。
▽整備スケジュールの検討＝それぞれについて工事ローリング計画も考慮して整備スケジュールを検討する。
▽概算事業費の算出＝それぞれについて建設予定時期を考慮して物価変動（物価上昇指数については県と協議して決定）を見込んだ概算工事費を算出する。
▽第１・第２体育館の改修及び合築等の比較検討＝規模とスケジュールと概算事業費の検討及びその他配慮事項を踏まえ、整備に当たって改修と合築の比較検討を行う。
【配置計画図の作成】
▽動線・ゾーニング計画図の作成＝周辺施設からのアクセス性・敷地内動線・管理者動線等も考慮して動線・ゾーニング計画図を作成する。
▽配置計画図の作成＝動線・ゾーニング計画図を基に①（全体バリアフリー計画「奈良県住みよい福祉のまちづくり条例」に適合させる）②駐車場計画（利用者に応じた身体障害者用駐車施設含む駐車台数を確保した駐車場計画を作成する―についても配慮した配置計画図を作成する。なお、身体障害者用駐車施設については条例に適合させることとし、大型車（大型バス）については県と協議のうえで確定する。
【イメージパースの作成】
検討した整理内容に基づいてイメージパース（Ａ３で鳥瞰・外観・内観各１枚）を作成する。
【公表資料案の作成】
検討した内容について概要版（Ａ３で２～３枚程度）を作成し、公表資料案を作成する。
【照査】
業務の主要な区切り及び成果品の納入前に管理技術者と関係技術者による照査を行う。
（吹上）