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県リニア推進・地域交通対策課 長大と契約を締結 自動運転等デジタル技術活用 明日香と三郷で実証実験を実施 五條と田原本で実施計画案作成
2023.8.31 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部リニア推進・地域交通対策課は、「令和5年度自動運転等デジタル技術を活用した交通サービス検討業務委託第010―委―1号」について、長大と6979万5000円込(業務量の目安は6980万円込が限度)で契約を締結して委託し、業務を進めている。
公募型プロポーザルでは、長大奈良事務所(三郷町立野南2丁目10番17号)から提出された参加表明書及び技術提案書について評価基準(合計100点)に基づき審査し、評価点61・85点で受託業者に特定した。
これは、5年度に自動運転等デジタル技術を活用した実証実験を明日香村と三郷町で実施し、五條市と田原本町で実証実験実施計画案を作成、宇陀市で導入に係る検討を行うもの。担当は公共交通計画係(電話0742―27―8939)。
業務は、県内5地域(明日香村、三郷町、五條市、田原本町、宇陀市)を対象に①先進事例及び政府動向の調査②実証実験実施準備③実証実験④実験結果の検証⑤サービス実装に向けたロードマップの作成⑥実証実験実施計画案の作成⑦協議会の運営―を行う。委託期間6年3月25日。
業務は、自動運転とAIオンデマンド交通とMaaSの新たな公共交通の利用促進策等の導入を想定し、それらを実装するうえでの技術面・運用面の具体的な課題や、公共交通の維持・向上に向けた検討材料を抽出するため、次世代のデジタル技術を活用した交通サービス(デジタル交通サービス)に関する実証実験に向けた検討及び実証実験を行うことを目的とする。
県では、4年2月にデジタル交通サービスについて市町村への提案募集を実施し、同年6月に提案内容や地域特性等を考慮して、複数の提案の中から実証実験候補地5地域を選定した。各市町村においてデジタル交通サービスの導入を目的とした協議会を設置し、各市町村が希望する実証実験内容等について有識者や公共交通事業者及び地元関係者等と協議を進めてきた。
4年度は、実証実験候補地のうち2地域において実証実験実施計画(案)を長大奈良事務所に委託して策定した。同地域について5年度中の実証実験に向けて取り組む。その他の地域においても各市町が希望する交通サービスの実現に向け、実証実験の内容について引き続き検討を進める。次の業務を行って報告書として取りまとめる。
【令和5年度デジタル交通サービス実証実験地域での実施内容】
明日香村では近鉄飛鳥駅~高松塚古墳~キトラ古墳を想定ルートに6年1月~2月頃に、三郷町ではJR三郷駅~FSS35キャンパス(奈良学園大学跡地)を想定ルートに秋頃に実施。いずれも3~4週間(テスト走行等の準備期間を含む)で車両は小型バス等を想定。
実証実験の実施後は、走行結果や利用者へのアンケート調査等を取りまとめたうえで、走行安全性・社会的受容性・利用者満足度・サービス実装可能性等の観点から検証を行う。特にサービス実装可能性の検証については、当該地域における他分野との連携といった観点や公共交通の維持・確保といった観点から検証する。町村や関係者と連携し、地域課題の解決やビジネスモデルの構築に向けた取組みについて検討する。
以上を踏まえたうえで実装に向けて次年度以降に実施すべき実証事件の内容について検討し、とりまとめる。サービス実装に向けた課題解決の検討し、奈良デジタル戦略において7年度に実施するとしているサービス実装までのロードマップを作成する。
【その他地域での実施内容】
五條市(西吉野町 永谷地区)では永谷バス停留所~永谷集落内を想定ルートに実証実験実施計画(案)を作成、試乗会等を実施する。
田原本町では近鉄田原本駅~青垣生涯学習センター~道の駅レスティ唐古・鍵の実証実験実施計画(案)を作成する。
宇陀市(天満台)では、内閣府未来技術社会実装事業(4年度~6年度)を活用し、自動運転車両及び予約システムを活用した輸送サービスの導入に向けた取組みが進められることとなっていることから、連携してデジタル交通サービスの導入に係る検討を行う。
【協議会の運営】
明日香村、三郷町、五條市、田原本町においてそれぞれ5年度中に2回程度開催する。