一般記事

大型コンクリート構造物の耐震化等 5年度に劣化度調査等 建設技術研究所に委託して業務進む

2023.8.24 県水道局

奈良県水道局は、令和5年度に大型コンクリート構造物のうち劣化度及び耐震性の有無の確認が必要と考えられる施設を対象に、各施設に関する既存資料の調査や各施設の目視調査による現状把握を行うことにより、劣化度調査及び耐震診断が必要な施設を抽出し、劣化度調査・耐震診断計画の作成並びに劣化度調査・耐震診断手法等の検討を行う。
一般競争入札「大型コンクリート構造物の耐震化・更新に係る基礎調査業務委託」を開札、落札した建設技術研究所奈良事務所(奈良市西大寺南町)に委託して業務を進めている。業務場所は奈良市ほか5市町。業務は大型コンクリート構造物の耐震化・更新計画の作成等に必要となる基礎資料を得ることが目的。委託期間6年3月22日。
県水道局が管理する水道施設のうち、大型コンクリート構造物については築造後の経過年数が間もなく法定耐用年数(60年)を迎える構造物がある。また、水道施設の耐震設計・施工に関する一般的な標準を示した「水道施設耐震工法指針・解説」(日本水道協会)が令和4年6月に改訂され、新設構造物だけでなく既設構造物の水道施設の耐震設計・施工にも適用されることとなった。
これらのことから最新の指針に基づき、劣化度及び耐震性の有無の確認が必要と考えられる構造物を調査し、耐震性が不足すると判明した構造物について耐震化(改修により耐震性を確保すること)若しくは更新(取り壊して新たに耐震性を有する構造物を築造すること)を行うことが急務となっている。
調査箇所は①下市取水場(下市町新住)②御所浄水場(御所市戸毛)③桜井浄水場(桜井市初瀬)④その他調整池等=樋野沈砂池(御所市樋野)、桜井接合井(宇陀市榛原角柄)、榛原調整池(宇陀市榛原萩原)、北部調整池(奈良市三碓町)、西部調整池(御所市櫛羅)、天理調整池(天理市石上町)。また、業務における調査及び計画作成の対象施設は調査箇所内の30施設。業務内容は次の通り。
▽既存資料調査=対象施設の劣化度並びに耐震性の有無の確認の必要性を検討するために①水道施設関連資料(竣工図、構造計算書、被災履歴、劣化度調査履歴、耐震診断履歴、補修補強履歴等)②水道施設整備関連資料(水道施設長期整備計画、大型コンクリート構造物補修計画等)③防災関連資料(地域防災計画、活断層図、液状化マップ、震度分布図等)④地盤関連資料(地形図、土質データ等)―の資料の収集整理を行う。
▽現状調査=施設の運転管理に支障が生じないように調査計画書を作成して①鉄筋コンクリート部材の劣化状況(ひび割れ、剥離、鉄筋露出等)②伸縮目地の位置及び状態③周辺地形及び地盤状況―の項目について目視調査を行う。
▽既存資料調査等結果整理=以上の結果を整理し、施設の重要度(例えば被災して運転継続が不可能となった場合の影響人口算定等のシナリオ分析等)や施工の容易性等を踏まえ、耐震診断(簡易診断または詳細診断)が必要となる施設の抽出並びに耐震診断の優先順位の決定を行う。
▽調査・診断計画作成=耐震診断が必要となる施設の優先順位と、大型コンクリート構造物補修計画における構造物の清掃・点検スケジュール(県水道局が提供する)を踏まえ、対象施設の劣化度調査・耐震診断年次計画を作成する。
▽調査・診断手法等検討=施設の運転を継続しながら実施することを前提とした、劣化度調査及び耐震診断の手法並びに耐震診断に必要となる劣化度調査の内容について、収集した他事業体における劣化度調査及び耐震診断の事例を参考に検討し、次業務への申送り事項として整理する。
▽報告書作成。

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