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文化財保存事務所 伸構造事務所に委託 玉置神社社務所及び台所耐震診断
2023.8.17 県文化・教育・くらし創造部
奈良県文化・教育・くらし創造部文化財保存事務所は、一般競争入札「重要文化財玉置神社社務所及び台所耐震診断業務5文保委第2号」を開札し、落札した伸構造事務所に地質調査と耐震診断を委託、業務を進めている。業務場所は十津川村玉置川1(玉置神社境内)委託期間6年3月28日。担当は事業係(電話0742―27―9865)。
これは、重要文化財玉置神社の社務所及び台所の軸部が全体的に南方向へ傾斜しているほか石垣に顕著な孕み出しが生じていることから、令和5年度に石垣を積み直すための地質調査及び対象建物の保有耐震性の確認(1次診断)と向上措置の検討、さらに確認(2次診断)を行うもの。
対象建物は▽社務所=桁行22・0㍍梁間15・9㍍の一重入母屋造、西面唐破風付、東面及び西面に突出部附属、地階付、銅板葺▽台所=桁行9・0㍍梁間8・9㍍の一重東面入母屋造、西面は社務所に接続、銅板葺。
玉置神社社務所及び台所は標高1076㍍の玉置山の山頂付近に位置し、高牟婁院の客殿及び庫裏として文化元年(1804年)に竣工した建物。修理後にも社務所として日常的に使用する予定であることから、大地震時にも倒壊しないだけの耐震性能を保有していることが求められる。修理事業では、対象建物を解体したうえで、石垣を積み直して復旧する。業務内容は次の通り。
▽地質調査業務=土質ボーリング調査φ66ミリ1本、スクリューウェイト貫入試験7ヵ所、標準貫入試験、室内土質試験(8サンプル)。
▽耐震診断業務=地震層せん断力分布係数の算定、各耐震要素の荷重変形関係の想定、剛性率と偏心率の算定、地震力・入力エネルギーの算定と保有耐震性能の評価、大地震・中地震時の各応答変位の算定と保有耐震性能の評価、補強案の策定、「耐震基礎診断書」「算定書」等の作成。(吹上)