一般記事
県リニア推進・地域交通対策課 日本工営と契約締結 県公共交通基本計画等調査検討 公共交通とまちづくりの 検討プロセスを運営支援
2023.8.8 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部リニア推進・地域交通対策課は、「奈良県公共交通基本計画等調査検討業務委託(公共交通基本計画推進事業)第1―委1号」の公募型プロポーザルについて、2者から提出された参加表明書及び技術提案書について評価基準(合計100点)に基づき審査し、評価点52・16点で日本工営奈良事務所(奈良市高天市町11)を受託業者として特定して1491万6000円込(業務量の目安は1494万9000円込が限度)で契約を締結し、業務を委託して進めている。
業務内容は県全域を対象に①奈良県公共交通基本計画に掲げる「公共交通とまちづくり等の検討プロセス」の実施に係る運営支援②地域公共交通の多面的評価方法(クロスセクター効果)の奈良県版簡易算出ツールの作成③奈良県公共交通基本計画に掲げる推進施策に関連する研修会・セミナー等の企画運営等。委託期間6年3月22日。担当は公共交通計画係(電話0742―27―8939)。
近年、人口減少や少子高齢化の影響により利用者が減少し、路線バスを取り巻く環境は厳しいものとなってきている。さらに交通事業者が経営効率の向上を図るため減便等が行われる可能性があり、サービス低下によるさらなる利用者の減少やそれによる公共交通の維持確保が懸念されている。
このような状況を踏まえ、県では、平成25年2月に知事を会長とする新たな体制での「奈良県地域交通改善協議会」を設立し、路線バスだけでなくコミュニティバス等も含め移動ニーズに応じた交通サービスのあり方について検討を進めてきた。28年3月には公共交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として「奈良県公共交通基本計画」及び地域全体を見渡した総合的な公共交通ネットワークの形成を図ることを目的として「奈良県地域公共交通網形成計画」を策定した。
その後、策定後に生じた状況変化に対応するとともにこれまでの取組みの成果・課題を踏まえ、施策をさらに強化するため基本計画を令和3年度に改定し、4年度に網形成計画の次期計画となる「奈良県地域公共交通計画」を策定した。
この業務では、『奈良県公共交通基本計画』の施策を推進するため、令和5年度に「公共交通とまちづくり等の検討プロセス」の実施に係る運営支援、4年度にパイロット事業として実施したクロスセクター効果の試算から得られた課題を踏まえてクロスセクター効果の奈良県版簡易算出ツールの作成を行う。 併せて基本計画に掲げる推進施策に関連して開催を予定している研修会・セミナー等の企画運営や情報収集・資料作成を行う。業務内容は次の通り。
▽基本計画に掲げる「公共交通とまちづくり等の検討プロセス」の実施に係る運営支援=①バスカルテ等の更新及びこれに基づく分析の支援(市町村を跨ぎ運行される路線バス・広域コミュニティバスにつき、客観的指標に基づき各路線の必要性や運営の効率性に係る「診断」を実施するに際し、必要となる運行・利用データ等の整理・分析を実施する)②「公共交通とまちづくりのデッサン」の改定及びこれに基づく取組み等の検討支援③奈良県地域交通改善協議会等の運営支援として
同協議会及び同協議会の下部会議として開催される地域別部会(4グループ)、エリア公共交通検討会議(18グループ程度)は各2回程度を想定。
▽地域公共交通の多面的評価方法(クロスセクター効果)の奈良県版簡易算出ツールの作成=①クロスセクター効果の奈良県版簡易算出ツールの作成(4年度業務の県内の3地域においてのパイロット事業としてクロスセクター効果試算による奈良県版簡易算出ツールを作成するうえでの課題整理等の結果と各自治体の規模や路線特性等を踏まえ、各市町村の交通部局に限らず福祉部局・観光部局等や交通事業者・医療機関・福祉施設等に対するアンケート・ヒアリング調査、当該分野の知見を有する学識経験者等へのヒアリングを実施してクロスセクター効果の奈良県版簡易算定ツールの作成を行う。作成後にこのツールを使用して県地域公共交通計画に位置付けられている市町村を跨いで運行されている すべての路線バスについてクロスセクター効果を算出する)②奈良県版簡易算出ツールの利用方法の整理。
▽基本計画に掲げる推進施策に関連する研修会・セミナー等の企画運営等=基本計画に掲げる推進施策の取組みを題材に地域住民・民間事業者・行政など地域の関係者や多様な主体が参画する研修会・セミナー等の企画運営を行い、算定ツールの使用方法や利用方法についてマニュアルを作成し、使用方法や活用方法を説明する。原則として対面での実施を想定(状況によってはウェブ会議も可)、開催時間2時間計3回を想定。 (吹上)