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県河川整備課 大和川流域治水本格的実践へ 容量確保へ手法を検討 日本工営に委託して業務進む

2023.6.29 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部河川整備課は、大和川流域で浸水被害を防止するため、令和5年度に貯留機能保全区域及び浸水被害防止区域の具体的な指定に向けた合意形成のための検討と、貯留施設の必用容量確保に向けて対策工法案等の具体的な手法の検討や事業効果の検討を行う。
 建設業・契約管理課で一般競争入札「流域治水の本格的実践のための検討業務委託(内水対策推進事業(都づくり))第1―委―1号」を開札し、落札した日本工営奈良事務所(奈良市高天市町11)に業務を委託して進めている。業務場所は大和川流域。業務概要は県平成緊急内水対策事業の効果検証、貯留機能保全区域及び浸水被害防止区域の指定に向けた検討、流域水害対策協議会の資料作成。委託期間6年6月30日。
 3年12月に県域の大和川が特定都市河川に指定され、4年1月に法定協議会である大和川流域水害対策協議会を設置し、同年5月に大和川流域水害対策計画が策定された。大和川流域における流域治水の本格的実践のため、大和川流域水害対策計画に位置付けられている貯留機能保全区域及び浸水被害防止区域の指定に向けた候補地の抽出を行っている。  
このためこの業務では貯留機能保全区域及び浸水被害防止区域の指定候補地から市町村・住民が選定した地区について、具体的な指定に向けた諸元の整理及び区域指定に向けた合意形成のための検討を行う。
一方、内水対策としては平成緊急内水対策事業を中心とした貯留施設の整備を進めているが、事業開始から5年が経過して事業着手していない地区やグレードアップ対応に至っていない地区などのバラつきが発生しており、事業の進捗状況等の「見える化」を図り、事業に対する取組機運を高めている。この業務では必用容量確保に向けて対策工法案等の具体的な手法の検討や事業効果の検討を行う。
打合せ協議は業務当初・中間3回・業務完了時の計5回。次の業務を実施し、照査を行って報告書を作成する。担当は河川計画係(電話0742―27―7507)。
【貯留機能保全区域及び浸水被害防止区域の指定に向けた検討】
「解説・特定都市河川浸水被害対策法施行に関するガイドラインを参考に行う。
▽浸水被害防止区域指定に向けた諸元の整理=検討を行う区域(3地区程度を予定)ごとに基準水位と流体力が最大となる時の水深及び流速を算出する。
▽貯留機能保全区域及び浸水被害防止区域指定に向けた合意形成のための検討=土地所有者・利害関係者・周辺住民等の理解を深めるために前項と同じ3地区程度で①個別地区における浸水シミュレーションを行い、区域指定による効果を示す②指定対象となる土地の検討過程や当該地区の指定の意義と効用を関係者間で共有し、指定に向けた合意形成を図るための資料作成を行う。
【奈良県平成緊急内水対策事業の市町村への技術支援のための検討】
▽必用容量確保に向けた対策工法案等の具体的な手法の検討=事業が進んでいない市町から4地区程度を選定し、市町や住民が対策の必要性を認識してもらうための対策箇所と対策工法案及び対策後の効果を示す資料を、現況と比較して浸水被害に対する地先の安全度が確率降雨ごとにわかりやすく理解できるよう作成する。
▽供用開始した施設の効果検証=既に完成している2ヵ所及び5年度までに完成予定の2ヵ所について、整備による浸水被害の軽減を定量的に説明する資料を、整備前と比較して浸水被害に対する地先の安全度が確率降雨ごとにわかりやすく理解できるよう作成する。
【流域水害対策協議会の資料作成】
この業務で得られた成果等を用いて大和川流域水害対策協議会及び検討WGの資料作成補助を行う。会議は3回を想定している。

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