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県河川整備課 三井共同で進捗点検 大和川水系平城圏域河川整備計画 5年度に事業再評価を実施予定
2023.6.15 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部河川整備課は、令和5年度に実施する大和川水系(平城圏域)の進捗点検に係る「大和川水系河川整備計画(平城圏域)進捗点検業務委託(河川整備計画策定調査)第1―委―1号」の一般競争入札を、落札した三井共同建設コンサルタント奈良営業所に委託した。
業務概要は大和川水系河川整備計画(平城圏域)の進捗点検、事業再評価資料作成(進捗点検は治水・住民連携・防災・環境)、委員会等の運営補助、大和川水系河川整備計画の見直し検討。委託期間6年3月29日。
平成9年の河川法改正により治水・利水・環境の総合的な河川制度整備として河川環境の整備と保全、地域の意見を反映した河川整備の計画制度が導入された。長期的な視点に立った河川整備の基本的な方針とする河川整備基本方針に基づき、今後20~30年の河川の整備を計画的に実施する内容を示した河川整備計画の策定が義務付けられている。
県では、河川整備計画を策定するため学識経験者11名で構成する奈良県河川整備委員会を設置し▽大和川水系(生駒いかるが圏域、平城圏域、布留飛鳥圏域、曽我葛城圏域)▽紀の川水系▽淀川水系の3水系において、同計画を策定し事業を進めている。
河川整備計画は長期計画のため、社会情勢の変化や自然環境の影響等を適切に反映できるように適時点検(フォローアップ)を行う必要がある。委員会では、策定した河川整備計画のフォローアップとしての進捗点検の役割を持っており、その役割には、当該計画に基づく事業についての奈良県公共事業評価監視委員会に代わる事業再評価に関する審議も含んでいる。平成24年度から開始した進捗点検も28年度までにすべての河川整備計画について完了しており、29年度から2巡目の進捗点検を実施している。担当は河川計画係(電話0742―27―7507)。
5年度に実施する大和川水系(平城圏域)の進捗点検(平成30年度以来3度目)の実施及び事業再評価を行うため、委員会における資料作成及びその運営補助を行う。合わせて河川整備計画の変更(原案)の作成を行い、委員会の審議に諮るための資料等を作成する。
進捗点検の対象河川は秋篠川(2工区)・地蔵院川(1工区)・菰川(1工区)・蟹川(1工区)・能登川(1工区)の5河川6工区で、項目は治水・住民連携・防災・環境。治水については河川及び対象工区ごとに、それ以外の項目については水系(圏域)で整理する。治水については事業進捗に応じて事業内容(残事業費及び工程など)の検証を実施し、事業期間の精査や今後の進捗見込みの案を作成する。
事業再評価を行う対象河川は秋篠川・地蔵院川・菰川・蟹川・能登川の5河川。費用対効果分析を行うに当たって、氾濫水理解析についてはモデルを作成し、氾濫シミュレーションによる検討を行う。なお、氾濫解析時の氾濫条件・氾濫ブロック等の各諸元については前回の検討内容を精査して必要に応じて更新・修正する。事業再評価を行うに当たっては進捗点検結果を踏まえ、河川整備計画の対象期間と事業進捗状況の整合を図るため、事業見直しも含めた検証を行うための対応方針案作成の補助を行う。事業再評価の資料作成に当たっては評価項目ごとに算出根拠を明らかにし、浸水解消戸数を算出するなど見やすく理解しやすい資料とする。
三代川については、4年度の再評価委員会において次回の再評価(9年度)までに流域変更や遊水地の設置を含めた代替案の検討を実施するよう意見があった。1/3年確率の洪水に対応するための河道整備に遊水地整備を加えることにより1/10年確率の洪水に対応できる河川整備計画の変更に向けた検討の報告書や過去の事例と国・他都道府県・政令市の事例等をもとに、河川整備計画の変更の検討を行い、関係機関と協議するための説明資料等を作成する。