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県文化振興課 8年度オープン予定 文化会館リニューアル整備
2023.4.27 県文化・教育・くらし創造部
奈良県県文化・教育・くらし創造部文化振興課は、文化会館のリニューアル整備について令和5年度に着工して8年度中のオープンを予定している。主な改修は耐震補強と本格的な音楽小ホール新築や国際ホール改修など建設工期として約35ヵ月を見込んでいる。
同課は「文化会館整備工事基本・実施設計業務委託」を一般競争入札により綜企画設計(原澄雄代表取締役社長)大阪支店(大阪市中央区南船場)に委託して3年度~4年度に実施。業務場所は奈良市登大路町。敷地面積約1万8900平方㍍、RC一部S造延べ面積約1万6500平方㍍。担当は文化振興係(電話0742―27―8478)。
業務概要は小ホール新築工事(既存躯体の一部〈北東部〉を撤去して新築)、耐震補強工事、特定天井改修工事(国際ホール、ロビー、エントランスホール)、国際ホール改修工事(客席、舞台機構、舞台照明、舞台音響等)、中庭屋内化工事(中庭に屋根を設置して屋内化)、外部階段除却工事(文化会館東部分)、エレベーター設置及び改修工事、レイアウト変更に係る内装改修工事、長寿命化のための内外部改修工事、前庭東部階段再整備工事、敷地北東部擁壁改築工事、以上の工事(建築・電気・機械・昇降機・音響等)に係る基本・実施設計業務。
まとめた計画概要では①文化会館全体の耐震改修を実施②文化会館1階の奥に約350席の本格的な音楽小ホールを新設③それに伴い2階に新たに音楽練習室や練習スタジオを整備④エントランス周辺にカフェを設けてコンサート前に高揚感を促し、 また、終演後に余韻に浸るひと時を提供⑤エントランスから続くアトリウムにウェルカムイベントの開催等によるおもてなし空間を演出―など。5年度当初から発注準備を行い下半期早期に着工、8年度中頃に完成して同年度内のオープンへ準備を進める。
県文化会館及び県立美術館が位置する奈良公園周辺地域は、世界遺産に隣接し、国内外から観光者が訪れる日本を代表する観光地であり、特に県文化会館及び県立美術館がある登大路町周辺は、近鉄奈良駅に近い交通至便な地域。
文化会館(奈良市登大路町6―2)は建築後55年、美術館は建築後50年が経過し、老朽化と耐震性能に課題があることから、抜本的なリニューアルと文化会館と美術館とを一体で施設整備をすることを目的として、平成27年度に「文化会館、美術館及びその周辺整備基本計画」を策定した。令和元年度に文化会館の整備を一体整備から分離し、先行してリニューアル整備を行う方針とした。
元年度に整備検討事業で諸課題を整理して施設の機能や所要室等の配置及び整備スケジュールなど再検討を、2年度に新たな追加課題を併せて調査・検討して基本設計及び実施設計を効率的・効果的に進めるために必要な諸条件を整理した発注準備計画を策定する業務を、いずれも日建設計大阪オフィスで実施している。
県が考える整備の方向性は①賑わいの創出=文化会館と美術館及びその間にある道路を含む空間が一体的な空間と感じられるとともに大宮通から文化ゾーンへと誘うゲートウェイ空間を創る②『音』にこだわる文化会館(国際ホール)③世界と繋がる文化会館④コストを意識した整備計画=複数の整備パターン及びそれぞれの整備費用を算出しておく。