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県文化財保存事務所 清水・尾田・中和JVへ 興福寺五重塔素屋根建設工事 落札額19・5億円
2023.3.23 県文化・教育・くらし創造部
奈良県文化財保存事務所が3月6日開札(県議会議決日契約)した一般競争入札「国宝興福寺五重塔素屋根建設工事4文保第5号」は清水・尾田・中和JVが19億5000万円(評価値56・846)で落札した。入札書比較価格20億7272万円。参加は清水・尾田・中和JVのみ。
工事場所は奈良市登大路町48番地(興福寺境内)。工事概要は国宝興福寺五重塔の保存修理のための素屋根建設を主とする工事。設計は桝谷設計が担当。工期6年7月31日。
今回は2回目の公告が落札に至ったもので、前回(昨年7月13日)公告分は9月1日に開札したが、有効な入札がなかったため不調とした。今回は予定価格(前回14億9494万4000円込を22億7999万2000円込へ)及び調査基準価格(前回13億7534万7600円込を20億9759万2200円込へ)を大幅(1・5倍超)に増額して工事公告をしたもので、併せて工期を半年延長した。
敷地面積約3900平方㍍。施設計画ではS造10階建延べ面積約8126・03平方㍍(内部足場・登桟橋と階段・資材搬入出口及び垂直搬送孔のほか解体部材格納棚を内部に設け、設備は照明設備・電気コンセント・工事用の人荷用エレベーター・ホイストクレーン・防災設備等を備える)。
立地条件は史跡興福寺旧境内及び名勝奈良公園内であるため掘削を伴わない基礎工事が必要。また、当該地は観光目的の来訪者が多く周辺道路の通行量も多いため、仮設計画を作成するに当たっては資材搬入計画や組立工法等において歩車分離を意識して迂回路等を設けるなど通行者への安全対策に万全を期し、影響を極力軽減することが不可欠。また、興福寺五重塔の屋根葺替を中心とした保存修理を行うことを踏まえ、保存修理現場の公開も含めた工事の作業性を確保する。五重塔の修理は解体を行わずに実施する方針。 (吹上)