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県平城宮跡事業推進室 1月15日までパブコメ 南側地区整備計画(案) 概算事業費約25億円を見込む
2022.12.22 県地域デザイン推進局
奈良県県土マネジメント部地域デザイン推進局平城宮跡事業推進室は、「平城宮跡歴史公園南側地区整備計画(案)」のパブリックコメントを実施している。令和5年3月に整備計画を策定、5年度以降に実施設計、6年度以降に本格的な整備工事を行う予定で、概算事業費として約25億円を見込んでいる。
この整備計画(案)は2年度に策定された「平城宮跡歴史公園県営公園区域基本計画」に基づき、公園全体の利用拠点となる「朱雀大路保全エリア」「多目的エリア」の整備に関する計画について検討を進めてきた成果を取りまとめたもの。
案は県政情報センター(県庁舎東棟1階)・県民お役立ち情報コーナー(県立図書情報館、奈良県産業会館、橿原総合庁舎、吉野町中央公民館の県内4か所)・県環境政策課(県庁舎主棟2階)で閲覧できるほかインターネットにも掲載おり、意見を5年1月15日まで整備係(電話0742―27―8945)で受け付けている。
平城宮跡歴史公園の拠点ゾーンは、『国営飛鳥・平城宮跡歴史公園平城宮跡区域基本計画(平成20年12月策定)』及び『平城宮跡歴史公園県営公園区域 基本計画(令和2年12月策定)』に基づき、平城宮跡の正面玄関及び奈良観光の玄関口として、公園全体の利用と管理・運営の拠点及び歴史・文化交流拠点並びに観光ネットワーク拠点の機能を持ったゾーンとするとともに、朱雀大路の規模を体感し、平城京内から平城宮正門の朱雀門に至るシンボリックな軸を強調し、往時の平城京のスケールを感じさせる広がりのある空間形成を行うため、国土交通省と県が連携し、整備を順次進めている。平成30年3月には「朱雀門ひろば」として一部開園している。
現在、駐車場北側の飲食店を含む一部の整備ついて、Park―PFI等の制度を活用することにより民間の優良な投資を誘導することから「平城宮跡歴史公園南側地区民間事業者選定アドバイザリー業務(平城宮跡の利活用推進事業(南側地区・社会資本)(都づくり))第312―委―1号」の受託者を公募型プロポーザルにより選考している。
また、建築物を除く公園施設の検討及び設計(遊具を含む)を行うとともに、公園内建築物の設計に向けた与条件を設定することを目的に「平城宮跡南側地区公園施設設計業務委託(平城宮跡の利活用推進事業(南側整備・社会資本)他)312―委―2他号」を一般競争入札により進めている。
整備計画(案)では「歴史を感じながら、憩いくつろげる快適空間を整備」を整備コンセプトに①平城京のスケールを実感し、往時の姿をイメージできる歴史空間とする②歴史に興味がある人だけではなく地域の人や家族連れ(小さな子供)など、いろんな人が気軽に立ち寄りたくなるような憩いくつろげる空間とする③安全で利便性の高い滞在環境の実現とアクセスや園内移動環境の充実により多様な人が安心して快適に過ごせる空間とする。
【具体的配慮事項】
歴史空間とするために①往時の平城京のスケールを感じられるようオープンスペースを確保し、平城宮跡や若草山等の稜線への眺望を確保する②往時の条坊道路の見通しや遺構表示などに努め、平城京のかたちが感じられる空間とする③施設の整備に当たっては地下遺構の保存を前提とする(埋蔵文化財への影響は事前に確認し、その結果重要遺構が検出された場合は保護措置を実施する)④『朱雀大路保全エリア』は北側の朱雀大路との一体性を確保するため、北側整備に倣った再現整備を行う。
憩いくつろげる空間とするために①公園全体に不足する憩い・くつろげる空間を創出するため芝生広場の他にベンチや屋根付広場などの「休養施設」、植栽(木陰)、花壇などの「修景施設」、飲食店(カフェ)などの「便益施設」等を整備する。便益施設等の整備に当たっては事業の公益性に配慮しながら民間の優良な投資を誘導する②子どもも楽しめる施設を整備する③花のイベントとマルシェや音楽等の多様な使い方ができるスペースを確保し、ニーズの変化に対応できる公園づくりをめざす④新たな地域活動拠点(清掃活動などの維持管理、自然観察等)の形成を促進する。
快適に過ごせる空間とするために①公園内で使える貸出備品の充実や無料Wi―Fi整備など利便性の高い施設を整備する②公共交通の利用が困難な方等に配慮して駐車場を設ける。配置に当たっては歩行者の安全性に留意して歩車分離とする③広い平城宮跡歴史公園の周遊観光を促進するためパークモビリティ(園内交通)を導入する④導入施設はユニバーサルデザインに配慮するとともに機能・規模は需要予測に基づいて設定する⑤災害発生時の広域防災拠点や雨水貯留施設など防災機能の導入を検討する。また、再生可能エネルギーを利用した設備の導入を検討する。
【施設の計画概要】
① 管理事務所(施設規模約450平方㍍)=公園の維持管理や備品等の貸出し等のサービス提供や地域の活動拠点・交流拠点、トイレとして活用する。また、施設屋上は展望デッキとして整備する。
②防災倉庫・便所(施設規模約150平方㍍)=災害時に対応できる防災倉庫やトイレを整備する。
③屋根付広場(施設規模約700平方㍍)=大きな屋根のあるオープンスペースを整備する。
④便益施設(カフェ等)(施設規模約300平方㍍)=民間事業者によるカフェなどの飲食ができる施設を整備する。
⑤子供が利用できる施設(比較的景観を阻害しにくい高さの遊具等)。
※以上の施設の規模・機能は今後の民間事業者の意見等を踏まえた検討により、変更 (入替)になる場合がある。
⑥駐車場(観光バス、自家用車)=利用状況に応じて使い方を変更できる施設とする。地下に雨水貯留施設を整備する。