平成２３年の台風１２号による崩壊の復旧
施工は山一建設

　農林水産省林野庁近畿中国森林管理局奈良森林管理事務所は「野尻山腹工事」を進めている。
　同工事は、十津川地区民有林直轄治山事業の一つとして、紀伊半島に膨大な被害を与えた平成２３年の台風１２号の影響により、十津川の小原谷で発生した大規模崩壊の復旧を、奈良県の要請により行うもの。山腹崩壊によって堆積している不安定な土砂の流出を防ぐ谷止工などがすでに行われており、今年度は、源頭部の対策を進めている。施工は山一建設が担当し、現時点で約４０～５０％の進捗で、工期は５年３月１０日の予定。事業全体では約７０％の進捗で、来年度以降も引き続き整備を進めていく方針で、令和８年度の事業完了を目指している。
　同事務所は「平成２３年の台風１２号により発生した大規模崩壊地を放置すれば、被害が拡大する危険性が高く、災害発生源となる恐れの大きい崩壊地や渓流荒廃地などについて、流域全体の水源かん養機能の維持・向上等を目標に治山事業により早急な安定化を図るために事業を実施していくとして、十津川地区民有林直轄治山事業」を進めており、崩壊地の復旧による地域の安全確保とともに、山地保全による熊野川の濁水防止など観光資源への実施効果が期待されている。