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県企業立地推進課 県中小企業会館等宿泊事業者選定 支援業務を近く公告へ 9月補正予算で事業費を確保
2022.10.20 県産業・観光・雇用振興部
奈良県産業・観光・雇用振興部企業立地推進課は、9月定例県議会で奈良県中小企業会館等宿泊事業者選定事業として850万円と令和5年度債務負担行為180万円を補正、事業者選定のための委員会を設置するとともに、事業者選定を支援するコンサルタント業務を近く公募型プロポーザルにより公告する見込み。
県は、奈良県中小企業会館と奈良商工会議所会館の今後の一体的・総合的な活用について、「奈良県中小企業会館等活用検討委員会」(委員長・中山徹奈良女子大学大学院教授)から『上質なホテルが望ましい』とする答申を7月末に受け、奈良商工会議所と活用に関する協定を8月29日に締結した。
答申を踏まえ、観光を通じた経済活性化に資することを目的とし、上質なホテルとして活用するため、当該物件を一体的に民間事業者に売却するとしている。主な協定内容は▽県が公募型プロポーザルにより民間事業者の選定を行う▽民間事業者の選定に当たって県は有識者等で構成する事業者選定委員会を設置する▽土地及び建物の売却価格については別途協議する―など。
答申は『上質なホテルが望ましい』を▽長期滞在に繋がり質の高いおもてなしが提供できる▽誰もが何度でも訪れたくなる開かれた▽奈良の歴史・文化・伝統・景観等と共存する▽地域の発展に繋がる―ホテルとした。
その内容を可能とするには多角的なノウハウが必要であることから「両会館を一体的に売却」のうえで、民間の創意工夫を活かした「民設民営」により継続的な運営ができるホテルの設置を提言している。売却は現状有姿になる予定。
4年度から5年度にかけてホテルを整備・運営する事業者を選定することをめざして9月補正予算で事業費を確保したことから、近く選定を支援するコンサルタント業務の公募型プロポーザルが公告される見通しで、民間事業者の選定に当たっては有識者等で構成する事業者選定委員会を設置する。
奈良商工会議所が6年春をメドに近鉄大和西大寺駅南側に新会館を建設して移転、併せて県中小企業会館に入居する関係団体も移転することから、県と奈良商工会議所は今年2月1日に活用へ向けた基本協定を結んでいる。
4月26日には検討委員会を設置して第1回会合を開き、奈良公園の玄関口にふさわしく奈良の強みを活かした地域活性化に繋がる両会館の一体的・総合的な活用を図ることをめざして検討を諮問していたもの。担当は企業誘致係(0742―27―8813)。
両会館とも所在地は奈良市登大路町。近鉄奈良駅近くの好立地。市街化調整区域で第5種風致地区のため高さ制限15㍍以下、建ぺい率40%・容積率200%。施設の概要は次の通り。
▽奈良県中小企業会館(奈良市登大路町37番9、38番1)=敷地面積1785・87平方㍍に昭和53年12月建築のRC造地下1階地上4階建延べ床面積3507・78平方㍍(建築面積782・83平方㍍)。
▽奈良商工会議所会館(奈良市登大路町36番2)=敷地面積1293・83平方㍍に昭和49年12月建築のRC造地下1階地上5階建延べ床面積3334・53平方㍍(建築面積513・02平方㍍)。
2つの敷地を一体的に活用できるように奈良市との事前協議を進めている。県は、奈良県中小企業会館に耐震性はあるものの奈良商工会議所会館にはないことから、建物の利用は現実的ではないとしている。 (吹上)