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段階的施工を検討 一級河川菰川の河川整備計画 業務は修成建設コンサルに委託
2022.7.28 県奈良土木事務所
奈良県奈良土木事務所は、一級河川菰川の河川整備において段階的な施工を計画することにしており、一般競争入札「一級河川菰川段階的施工計画検討・護岸詳細設計等委託(防災・安全社会資本整備交付金事業(総合治水))6―委―1号」を落札した修成建設コンサルタント奈良事務所に業務を委託した。
これは、河川整備計画に基づいて計画区間の下流から上流に向かって改修を進めているものの、井堰の改修に伴う調整に時間を要し事業の進捗が見込めない状況になっていることから、浸水被害を少しでも軽減するため、井堰改修部前後の未改修区間におけるボトルネック箇所を抽出し、その箇所の改修を先行して整備する段階的な施工を計画するもの。
また、未改修区間のうち№151~№165+9・2㍍の区間については1/10年確率の降雨に対する流下能力を確保するため、過年度設計成果によって選定された護岸形式に対して詳細設計を行う。さらに改修に伴って架替が必要となる橋梁(№157付近。PCボックスカルバート構造)の予備設計を併せて行い、最適な橋梁形式とその橋梁諸元を決定する。
業務場所は奈良市法華寺町。業務内容は段階的施工計画検討1式、護岸詳細設計(両岸)289㍍、橋梁予備設計1橋(7㍍)。委託期間5年1月20日。担当は県土マネジメント部河川整備課河川整備課係(電話0742―27―7507)。段階的施工計画検討の業務内容は次の通り。検討に当たっては流下能力を考慮しつつ、この段階的施工に起因して浸水被害が発生しないように配慮する。
【流下能力の把握】
河道計画の検討に係る水位計算は基本的に一次元で不等流計算を用いることとし、対象区間は未改修区間の下流側200㍍程度を含む区間。
▽断面図データの作成=横断図等から不等流計算を実施するための断面図データを作成する。
▽粗度係数の設定=河床状況と河道内の植生繁茂状況を踏まえ、既往知見から粗度係数を設定する。
▽計画条件の設定と実施=既往の治水計画等を参考に下流端水位と計算流量ケースなど不等流計算の条件を設定する。
▽流下能力算定=断面ごとの流量と計算水位の関係からH―Q式を作成する。断面ごとにH―Q式に評価高を適用し、流下能力(現況の確率降雨規模を含む)を算定する。算定後に河道のネック箇所や全河川的な治水安全度バランスを把握するため流下能力図を作成する。
【段階的施工計画の立案】
対象河川は既往設計において河川整備計画に基づき計画規模1/10で計画されている。しかし、井堰改修部において当面の事業進捗が望めない状況であることを踏まえ、現況流下能力(現況の確率降雨規模)を考慮し、中間の整備目標(計画規模)を設定する。
この中間の整備目標に基づき、既往設計内容を踏襲した段階施工を計画する①設計計画②現地踏査③基本事項の検討④基本ケースの選定⑤施工計画(案)の比較検討⑥図面の作成⑦概算工事費の算定⑧考察。なお、検討に当たっては段階施工時の工作物は可能な限り手戻りが少なくなるようにする。