奈良県文化財保存事務所は、「国宝興福寺五重塔素屋根建設工事４文保第５号」に総合評価落札方式一般競争入札を適用して７月１３日に公告した。入札参加申込書を７月２１日まで、技術提案書を８月１日まで、入札書及び入札金額の内訳書を８月２３日～３１日に受け付けて９月１日に開札する。
参加資格は建設業者２者、３者または４者で構成される特定ＪＶ▽建築工事業の特定建設業許可。建築１式の登録。Ａ等級▽ＪＶの代表者とＪＶ構成員の１者は建設業法に基づく「建築工事業」の許可を受けている本店が県内にあり、県建設工事等競争入札参加資格の建築１式工事の等級がＡ等級の者であってかつ建築１式工事の総合評定値が９００点以上であること、または建設業法に基づく「建築工事業」の許可を受けている県内の営業所で、県建設工事等入札参加資格を有する者であって、かつ、建築１式工事の総合評定値が９００点以上であること―など▽前記以外のＪＶ構成員は建設業法に基づく「建築工事業」の許可を受けている本店が県内にあり、県建設工事等競争入札参加資格の建築１式工事の等級がＡ等級の者であること、または建設業法に基づく「建築工事業」の許可を受けている県内の営業所で、県建設工事等競争入札参加資格を有すること―など
　工事場所は奈良市登大路町４８番地（興福寺境内）。工事概要は国宝興福寺五重塔の保存修理のための素屋根建設を主とする工事。設計は桝谷設計が担当。工期６年１月３１日（予定）。予定価格１４億９４９４万４０００円込、調査基準価格１３億７５３４万７６００円込。
　敷地面積約３９００平方㍍。施設計画ではＳ造１０階建延べ面積約８１２６・０３平方㍍（内部足場・登桟橋と階段・資材搬入出口及び垂直搬送孔のほか解体部材格納棚を内部に設け、設備は照明設備・電気コンセント・工事用の人荷用エレベーター・ホイストクレーン・防災設備等を備える）。
　立地条件は史跡興福寺旧境内及び名勝奈良公園内であるため掘削を伴わない基礎工事が必要。また、当該地は観光目的の来訪者が多く周辺道路の通行量も多いため、仮設計画を作成するに当たっては資材搬入計画や組立工法等において歩車分離を意識して迂回路等を設けるなど通行者への安全対策に万全を期し、影響を極力軽減することが不可欠。また、興福寺五重塔の屋根葺替を中心とした保存修理を行うことを踏まえ、保存修理現場の公開も含めた工事の作業性を確保する。五重塔の修理は令和１２年３月まで解体を行わずに実施する方針で、総事業費は４７億円を見込んでいる。　　　（吹上）