一般記事

県防災統括室 国の計画に位置付け 奈良県大規模広域防災拠点

2022.6.24 県総務部

 奈良県総務部知事公室防災統括室は、内閣府より「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」の改定について公表され、現在整備を進めている奈良県大規模広域防災拠点がこの国の計画に位置付けられたことから、令和4年度には用地確保を行い、7年度以降に救助活動拠点(候補地)として活用を見込んでいる。
 また、「このたび、奈良県大規模広域防災拠点が紀伊半島を広くカバーする大規模な広域防災拠点として国の計画に位置付けされたことは、本県としましても誠に喜ばしい限りです。引き続き、三重県・和歌山県をはじめとする関係機関と連携し、国の支援も得ながら、防災機能の早期効果発現に向けて、奈良県大規模広域防災拠点の整備を着実に進めて参ります」との知事コメントを公表した。
 県では、南海トラフ地震等の大規模災害に備え、優れた防災機能を有する広域防災拠点の整備が必要との考えのもと、迅速かつ正確な情報収集や災害時の支援に資する大量の物資・人員の輸送集積が可能な「奈良県大規模広域防災拠点」(五條市)の整備を進めている。これまで県の要望活動等を通じて奈良県大規模広域防災拠点の同計画への位置付けを国に要請してきた。
整備効果の早期発現を目的として3段階に分けて進める予定。Ⅰ期は5㌶程度の平場を有する広域防災拠点、Ⅱ期は防災施設と複数の回転翼機の同時稼働が可能な600㍍級滑走路を有する大規模広域防災拠点(46㌶)、Ⅲ期は防災施設の充実と大量の物資人員を輸送な固定翼機の活用が可能となる2000㍍級滑走路を有する大規模広域防災拠点(73㌶)と段階的に整備する。
全体概算事業費を約600億円(第2期まで約150億円)としていたが、再試算に結果さらに6㌶整備予定地の造成が必要となったため、第2期までを90億円増の約240億円に、全体で120億円増の約720億円に見直している。着工から20年での完成をめざす。
3段階に分けて進める「奈良県大規模広域防災拠点」の整備に当たって新天辻トンネルや京奈和自動車道(大和北トンネル)等の発生土を盛土材として活用することを想定しており、盛土材の分析・検討や制限表面切土の検討を行ったうえで盛土計画等の「施工計画」を立案、また、計画地周辺の現況排水系統を整理し、整備に伴う排水施設の概略検討等を行って今後の検討方針もとりまとめる業務を日本工営奈良事務所に委託して進めている。
現在、「令和4年度奈良県大規模広域防災拠点建築基本計画作成業務第1―委―1号」の公募型プロポーザルで、提出された参加表明書及び技術提案書について評価基準(合計100点)に基づき審査し、最高得点者を受託業者として特定する選定作業を進めている。業務場所は五條市ほか。業務量の目安は1793万円込。委託期間5年3月24日。担当は防災拠点係(電話0742―27―8091)。業務内容は次の通り。
【計画準備】
▽業務計画の作成。
▽現況把握と整理。
【建築基本計画の策定】
▽建築基本計画方針の検討=①与条件の整理・検討(Ⅲ期整備を見据えた第Ⅱ期整備における建築物として災害対応力強化施設〈指令本部施設を含む〉、防災航空隊基地〈ドクヘリの待機場所及びSCUスペースの確保を含む〉、警察航空隊基地、備蓄倉庫、防災啓発施設の5施設を中心に検討を行う)②供給処理施設の整備方針の検討(電気・給水・下水・雨水等の規模や容量と接続位置等を設定する)③外構整備方針の検討。
▽建築基本計画の策定=①計画フレームの検討②施設配置計画 の検討③諸室整備計画の検討④動線計画の検討⑤環境配慮計画方針の検討⑥構造計画方針の検討⑦設備計画方針の検討⑧計画図の作成⑨イメージパースの作成⑩概算工事費の算出⑪整備工程表の作成。
【協議資料等の作成】
県は、建築基本計画の策定に当たり有識者懇談会(5名程度) の運営を行う。開催回数は3回(8月建築基本計画方針について、10月建築基本計画素案について、5年1月建築基本計画案について)を想定している。懇談会の会議資料と議事録作成を行う。

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