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建設技術研究所で進む 高取川圏域砂防計画検討
2022.6.9 県中和土木事務所
奈良県中和土木事務所は、令和4年度に高取川圏域における砂防計画の計画基準点を見直し、新たな施設配置計画を立案する。一般競争入札「高取川圏域土砂・洪水氾濫対策検討業務委託(防災・安全(砂防))第40―2―委―1号」を開札、建設技術研究所奈良事務所に砂防計画と土砂・洪水氾濫対策を検討する業務を委託して進めている。
業務場所は高取町上子島他(流域①は0・81平方㌔㍍、流域②は1・84平方㌔㍍)。業務概要は砂防計画検討1式、土砂・洪水氾濫対策検討1式。委託期間5年3月24日。計画準備を行い、資料を収集・整理したうえで次の業務を行い、全体計画をとりまとめ、今後の事業実施に向けての調査・検討項目・課題等の申送り次項をまとめる。
【砂防計画検討】
▽流域特性調査=①谷次数区分図・単元流域区分図の作成②土砂生産区域・非土砂生産区域の区分③樹種・樹高区分図の作成。
▽現地調査=①移動可能土砂量調査②発生流木量調査③粒度分布調査④トラブルスポット調査⑤保全対象調査(集落、要配慮者利用施設、避難所、水道施設等の社会インフラ施設、緊急輸送道路等)。
▽計画諸元の設定=①保全対象の設定②計画規模(100年超過確率)の設定③計画基準点・補助基準点・計算点等の設定④計画流出土砂量の設定⑤計画流出流木量の設定⑥計画流下許容量(原則0立方㍍)の設定⑦現況施設効果量の算出⑧現況土砂・流木整備率の算出。
▽施設配置・除石計画概略検討=既往施設の有効活用(改築、除石)を図ることを前提とし、施設点検や長寿命化計画との整合を図りながら、効果的・効率的な概ね10年程度以内に実施する当面計画と将来計画(当面計画完了後、整備率100%まで)の当該流域における土砂・流木処理方針を検討する。
【土砂・洪水氾濫策検討】
▽計算モデルの準備=河床変動計算(一次元・二次元)に必要な準備を行う。
▽再現計算(計算モデルの妥当性検証)=①再現事例の抽出②河道形状の設定③再現計算条件(水供給、土砂供給、その他)の設定④再現(河床変動)計算の実施・計算モデルの妥当性評価。
▽一次元河床変動計算結果に基づく施設配置・除石計画の検討=①一次元河床変動計算条件の設定②現況施設時の計算と氾濫発生箇所の検討③一次元河床変動計算結果に基づく施設配置・除石計画の検討(新たな施設配置計画を立案して一次元河床変動計算により施設効果を評価するとともに、除石を行った場合の計算を実施する)。
▽氾濫想定区域の設定=①二次元河床変動計算条件の設定②二次元河床変動計算(5平方㌔㍍未満。現況施設時のみを実施し、計画完成時は土砂・洪水氾濫は発生しないものと想定する)。
▽費用便益分析=被害額と便益額及び計画施設の工種・規模等より対策費用の算出を行い、便益額と費用から費用対効果を算出する。