一般記事
葛成山寳國寺伽藍整備事業
2022.5.26 その他
本格的な伽藍整備始まる
施工は松塚建設
真言宗の古刹、葛成山寳國寺(御所市室1番地)が、伽藍整備事業を進めている。
寳國寺は、弘法大師が「室の大墓」(室宮山古墳、被葬者は葛城襲津彦説が有力)の御霊を鎮めた事に由来するといわれる名刹で、「室身替り大師」の愛称で親しまれている。
現在の本堂は明治31年に、他の諸堂も同時期に建立され、平成に入って一部は改修されたが、本堂を始め、鐘楼、山門などは、ほぼ手つかずの状態で現在に至っており、損傷と老朽化が著しく、同寺は、伽藍の整備を進めることとなった。
第1期工事として、境内の西側、法面擁壁などの整備を、松塚建設の施工で平成30年11月に竣工。第2期工事は、コロナウイルス感染症の流行などにより、大幅に工期がずれ込んだが、今年4月、同じく松塚建設の施工で着工した。
最初に荒神堂の立て替えに取りかかり、5月20日現在、建屋は完成、須弥壇などの内部の作業に掛かっている。加えて、経蔵の屋根替えと外装修築、経蔵に接続していた渡り廊下の付け替えにも着手しており、それに伴い本坊の一部も改修されている。また、この日、鐘楼を移設する作業が行われた。鐘楼は、瓦が降ろされた状態で、補助材で周囲を囲われ、そのままの形を維持して、専用のフレームを使いクレーンでつり上げられ、元の場所より約4㍍北側の、新設された土台の上へ移された。この後、ジャッキなどを使用して礎石などとの微調整を行い、鐘楼の屋根瓦の吹き替え作業へと入ってゆく。
伽藍の整備は、秘仏の虚空蔵菩薩が安置されている奥院の土蔵造から堂造りへの建て替、本堂の屋根替え及び改修築、山門の立て替えなど、順次行っていく予定で、当初令和5年末完成を目指していたが、先述のコロナウイルス感染症の影響をはじめとする様々な要因により大きくずれ込むことが見込まれている。
寳國寺では、今回の伽藍整備のために、勧募金の寄進を募っている。問い合わせは、葛成山寳國寺伽藍整備事業建設委員会TEL0745―62―353