奈良県県土マネジメント部地域デザイン推進局平城宮跡事業推進室は、「平城宮跡歴史公園における利用者周遊性向上に向けた移動支援検討業務（平城宮跡の利活用推進事業（西側地区・単独公共））第３２１―委―１号」に公募型プロポーザルを適用して４月６日に公告した。
　参加表明書を４月１５日まで受け付けて上位５者程度を選定、技術提案書を５月下旬まで受け付け、ヒアリングを６月上旬に実施して提出された参加表明書及び技術提案書（ヒアリング実施内容を含む）について評価基準（合計１００点）に基づき審査し、最高得点者を受託業者として特定する。連絡先または提出先等は事業係（電話０７４２―２７―８９７３）。
　業務場所は平城宮跡歴史公園（奈良市二条大路南３丁目外）。国土交通省・文化庁・奈良文化財研究所管理エリアを含む平城宮跡歴史公園全体を対象に①先行事例の収集・整理、平城宮跡歴史公園における移動環境の課題整理②導入モビリティ及び運行ルートの検討③実証実験の計画・実施④打合せ協議⑤成果品の作成―を行う。委託期間５年３月２４日。業務量の目安は１５００万円込を限度とする。
　参加資格は▽県建設工事等競争入札参加資格のうち建設コンサルタント「都市計画及び地方計画」部門の資格（３年度の登録）を有すること▽県内に本店または営業所（県に対する競争入札参加資格を有するものに限る） を有すること▽平成２４年４月１日以降公告日までに完了した国または地方公共団体が発注した「モビリティ」または「移動支援」に係る業務元請実績を有していること―など。
　平城宮跡歴史公園は、広大な園内の中に施設等が点在していることから、利用者の周遊性向上に向けた移動支援が課題となっている。平城宮跡歴史公園では、これまでパークスマートチャレンジやローカル５Ｇなどの社会実験が実施され、また、イベント時には園内周遊の取組みと併せベロタクシーの運行なども実施されてきたが、実用化には最新技術の導入や人的な負担と運行に係る費用など課題が多い。利用者の周遊性向上のためには新しい技術や既存技術及び乗車可能人数や運行速度と走行できる場所・動力源といった多様なモビリティ特性があるなかで、この公園の利用者ニーズに合い実用化が可能なモビリティを検討する必要がある。
今回の業務は、公園における移動環境の課題や利用者のニーズを踏まえ課題解決に向けた検討を行い、移動支援の実現性について実証実験を通して検証のうえ現時点で実用化が可能な移動支援を検討する。打合せ協議は業務着手時・中間４回・成果品納入時の計６回。業務内容は次の通り。
【先行事例の収集・整理、平城宮跡歴史公園における移動環境の課題整理】
▽先行事例の収集・整理＝公園内だけでなく一般道も含めたさまざまな移動支援やモビリティの先行事例を収集し、現場や現行法令などの条件も含めて整理する。また、モビリティに関する近年の社会の動向や法令・規制など今後の移動支援導入の判断に必要な資料を収集・整理する。
▽平城宮跡歴史公園における移動環境の課題整理＝平城宮跡歴史公園における利用者の移動支援に対するニーズ等を把握し、また、園路や周辺道路における移動時の課題や文化財保護等に係る路面の制限等の課題など移動環境についての課題を整理する。
【導入モビリティ及び運行ルートの検討】
▽導入モビリティの検討＝前項の整理を踏まえて平城宮跡歴史公園に適した実現可能なモビリティを検討する。
▽運行ルートの検討＝前項の整理を踏まえて実現可能な運行ルートを検討する（ルート設定における留意事項については図を参照）。
▽とりまとめ＝導入モビリティと運行ルートの検討を踏まえ、導入費用と運営費用及び導入による効果等をとりまとめ、現時点での最適な移動支援策を検討する。検討に当たっては現在事業中の朱雀大路東側地区や平城宮跡南側地区が完成した後の状況や社会情勢等も考慮する。
【実証実験の計画・実施】
▽実証実験実施計画書の作成＝検討した移動支援策の実現性を検証するため実証実験を行う。実証実験の実施に先立って使用するモビリティ・運行ルート・実験期間・安全対策・参加者の募集方法・参加者に対するアンケート及びその実施方法・新型コロナウイルス感染症感染防止策等についてとりまとめた実施計画書を作成する。実施計画書は施設・道路・交通等の管理者と充分に調整して作成する。
▽実証実験の実施＝実証実験の実施は秋の観光シーズンの２日間程度（県から別途指定）を想定している。実証実験に要する費用（車両等リース料、人件費、その他雑費等）を含む。
▽効果検証＝実証実験における課題と効果の整理及びアンケート結果の検証を行い、実証実験実施報告書及び導入する際の運営計画案を作成する。