一般記事
県奈良公園室 建設技術研究所を特定 モビリティによる周遊性向上 秋の多客期に社会実験
2021.10.22 県地域デザイン推進局
奈良県奈良公園室は、奈良公園利用者の周遊性向上に資するモビリティによる社会実験のプロポーザルで、建設技術研究所を事業者に特定した。令和5年度以降の導入をめざして4年度には導入へ向けた確認のための最終段階の社会実験を行う予定。
奈良県県土マネジメント部地域デザイン推進局奈良公園室は、公募型プロポーザル「モビリティによる公園利用者の周遊性向上に資する社会実験(奈良公園魅力向上事業)第1―委―1号」について、建設技術研究所奈良事務所(奈良市西大寺南町16―19)と999万9000円込(業務量の目安は1000万円込が限度)で契約を締結して業務を委託した(業務完了時に業務完了報告書を提出し、完了検査に合格した後に一括払いする)。
プロポーザルには4者が公募参加申込を提出、うち1者が辞退、1者が欠格で、2者から提出された企画提案書についてプレゼンテーション及びヒアリング審査を実施し、評価点67・50点で建設技術研究所を事業者に特定したもの。
これは、モビリティによる公園利用者の周遊性向上に資する社会実験を実施するに当たり、事業者を選定するもので、提案に基づく技術を用いたモビリティ社会実験を実施し、奈良公園周辺での周遊サービスの実用化を期待するもの。
昨年度は閑散期(2月)に社会実験しており、今年度は秋の行楽シーズンの多客期に実施、来年度に導入へ向けた確認のための最終段階の社会実験を行うことにしており、令和5年度以降の実用化をめざす。実験には1人乗りの電動車両を用いている。
この実験は、昨年度に奈良公園内で活用可能な車両を確認する観点から、閑散期(2月)において建設技術研究所に委託して社会実験を行ったところで、この結果を踏まえて今年度は引き続き実用化に向けた検証を進める。
業務はモビリティによる社会実験の実施。委託期間令和4年1月31日(但し、社会実験は原則として秋の行楽シーズン10月下旬~11月中旬の多客期の範囲内で実施する)。担当は奈良公園バスターミナル運営係(電話0742―27―8074)。
対象地域は奈良公園(図参照)。事業内容はコース設定で、広域な園内での移動円滑化に資するモビリティ社会実験をテーマとして、課題解決のための提案を求めている。この実験を通してできるだけ多くの人にモビリティを体験してもらい、実用化に向けた課題を抽出する。
▽コース設定及び車両の提案=①車両の貸出場所は、「奈良公園バスターミナル」及び「二月堂周辺」の2ヵ所に設置し、各々の場所で車両の貸出または返却ができるようにする②「片道のみ」または「往復」のどちらでも利用できるような実験体制とする③往路と復路のルートは同一でも異なってもどちらでもよい。
▽使用する車両=過年度に実施した実験を踏まえて行うことから、車道だけではなく公園内園路を走行できる車両とする。
▽移動手段と合わせて利用者の満足度を向上させる機能について提案=応募者が提案した内容は、契約後に県と協議したうえで原則として実施することから、実現可能な提案を行う。
奈良公園は広大な地域に跨がり、貴重な歴史的文化遺産を包蔵する東大寺・興福寺・春日大社や保存のための文化施設である奈良国立博物館や正倉院等々とこれらをとりまく雄大で豊かな緑の自然美が調和して他に類例のない公園であり、魅力的な名所が数多くある。
しかし、広大な敷地に名所が点在し、駅や主要なバス停からの移動は徒歩以外の手段がないことも多く、行きたくても行けないという現状もあることから、二次交通としてのモビリティの可能性、さらにはモビリティの実用化に向けてこの実験を通じて検討するもの。
(吹上)