一般記事

県文化振興課 綜企画設計に委託 文化会館整備基本・実施設計

2021.9.3 県文化・教育・くらし創造部

 奈良県文化振興課は、文化会館をリニューアル整備するため、令和4年にかけて基本・実施設計を行うことにしており、一般競争入札により綜企画設計に業務を委託した。耐震補強と小ホール新築や国際ホール改修などを行う計画で、建設工期として約34ヵ月を見込んでいる。
県文化・教育・くらし創造部文化振興課は、「文化会館整備工事基本・実施設計業務委託」の総合評価落札方式一般競争入札を参加2者で8月24日に開札、綜企画設計(原澄雄代表取締役社長)大阪支店(大阪市中央区南船場)が1億6908万円で落札(入札情報は9月4日⑤面掲載)し、業務を委託した。委託期間4年11月30日(うち基本設計4年2月28日)。
業務場所は奈良市登大路町。敷地面積約1万8900平方㍍、RC一部S造延べ面積約1万6500平方㍍。建設工期として約34ヵ月を見込んでいる。県の予算要求に対応するため工事費概算書の提出期日は実施設計の完了期日に関わらず4年9月17日とする。担当は文化振興係(電話0742―27―8478)。
業務概要は小ホール新築工事(既存躯体の一部〈北東部〉を撤去して新築)、耐震補強工事、特定天井改修工事(国際ホール、ロビー、エントランスホール)、国際ホール改修工事(客席、舞台機構、舞台照明、舞台音響等)、中庭屋内化工事(中庭に屋根を設置して屋内化)、外部階段除却工事(文化会館東部分)、エレベーター設置及び改修工事、レイアウト変更に係る内装改修工事、長寿命化のための内外部改修工事、前庭東部階段再整備工事、敷地北東部擁壁改築工事、以上の工事(建築・電気・機械・昇降機・音響等)に係る基本・実施設計業務。
 県文化会館及び県立美術館が位置する奈良公園周辺地域は、世界遺産に隣接し、国内外から観光者が訪れる日本を代表する観光地であり、特に県文化会館及び県立美術館がある登大路町周辺は、近鉄奈良駅に近い交通至便な地域。
文化会館(奈良市登大路町6―2)は建築後53年、美術館は建築後48年が経過し、老朽化と耐震性能に課題があることから、抜本的なリニューアルと文化会館と美術館とを一体で施設整備をすることを目的として、平成27年度に「文化会館、美術館及びその周辺整備基本計画」を策定した。令和元年度に文化会館の整備を一体整備から分離し、先行してリニューアル整備を行う方針とした。
令和元年度に整備検討事業で諸課題を整理して施設の機能や所要室等の配置及び整備スケジュールなど再検討を、2年度に新たな追加課題を併せて調査・検討して基本設計及び実施設計を効率的・効果的に進めるために必要な諸条件を整理した発注準備計画を策定する業務を、いずれも日建設計大阪オフィスで実施している。
県が考える整備の方向性は①賑わいの創出=文化会館と美術館及びその間にある道路を含む空間が一体的な空間と感じられるとともに大宮通から文化ゾーンへと誘うゲートウェイ空間を創る②『音』にこだわる文化会館(国際ホール)③世界と繋がる文化会館④コストを意識した整備計画=複数の整備パターン及びそれぞれの整備費用を算出しておく。

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