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県建築安全課 2月10日までパブコメ 「県耐震改修促進計画」改定案 計画期間8年度~17年度
2026.1.23 県地域デザイン推進局
奈良県県土マネジメント部まちづくり推進局建築安全課は、現行の「奈良県耐震改修促進計画」が令和7年度で終了するが、引き続き住宅・建築物の耐震化を促進する必要があることから計画の改定作業を進めており、このほど奈良県耐震改修促進計画改定案をまとめ、意見募集(パブリックコメント)を実施する。
案は建築安全課のHPに掲載しているほか、県政情報センター(県庁舎東棟1階)・県民お役立ち情報コーナー(県立図書情報館、県産業会館、橿原総合庁舎、吉野町中央公民館の県内4か所)・ 建築安全課(橿原市常盤町605―5)でも閲覧できる。意見を2月10日まで郵送・FAX・HP掲載のメール送信フォームにより受け付ける。問い合わせ先は建築審査係(電話0742―27―7561)。
平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災で、昭和56年5月以前の耐震基準(旧耐震基準)で建築されたものの倒壊等により、多くの人が亡くなった教訓から「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が制定され、全国的に耐震化の取組みが進められるようになった。
しかし、近年においても平成28年4月の熊本地震や30年9月の北海道胆振東部地震、令和6年1月の能登半島地震などの大地震に際し、大きな被害が出ている。日本ではいつどこで大地震が発生してもおかしくない状況にあり、特に南海トラフ地震については政府の地震調査研究推進本部発表(7年9月)によると、今後30年以内での発生確率は60~90%程度以上とされている。また、奈良県に位置する活断層である奈良盆地東縁断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が我が国の主な活断層の中では高いグループに属している。
これらの地震が発生した場合には多数の死傷者の発生や甚大な建物被害が起こることを認識し、地震から人的・経済的被害の軽減を図るため住宅・建築物の耐震化を進めることが必要。
県では、地震時における住宅・建築物の被害の軽減を図り、県民の生命と財産の保護を図るため、県・市町村及び建築関係団体等が連携して計画的かつ総合的に既存建築物の耐震化を促進するための基本的な枠組を定めることを目的とし、耐震改修促進法に基づいて平成19年3月に「奈良県耐震改修促進計画」を策定した。
その後、耐震改修促進法の改正や本県における住宅・建築物の耐震化の状況等を踏まえ28年3月及び令和3年3月に改定を行い、住宅・建築物の耐震化への取組みを継続してきた。しかし、未だ耐震性が不足する建築物等の解消には至っていないことから、耐震改修の支援や普及啓発の強化、防災拠点となる建築物の耐震化を促進するとともに、新たな取組みとして災害時に救助活動などの要となる道路を耐震診断義務化対象路線として指定することとし、これらを含めた新たな計画へと改定を行うことで耐震化をさらに促進する。
計画期間は8年度~17年度までの10ヵ年とし、概ね5年が経過した段階において進捗状況の点検を行い、必要に応じて見直すこととする。
耐震化の促進を図る建築物は、阪神・淡路大震災や平成28年4月の熊本地震、令和6年能登半島地震において、特に昭和56年5月以前に建築されたものの被害が顕著に見られたことを踏まえ、この計画では昭和56年5月の新耐震基準適用以前の構造基準で設計・建築された既存建築物で「住宅」「要緊急安全確認大規模建築物」「要安全確認計画記載建築物」「多数の者が利用する建築物等」及び「公共建築物」を重点対象とする。
また、県内全域の建築物等の地震に対する総合的な安全性の向上を図るため、これら重点対象建築物のほかに平成12年5月31日までに建築された木造住宅についても計画の対象にするとともに①居住空間内の安全対策②エレベーター、エスカレーターの安全対策③工作物等の安全対策④大規模空間の天井崩落対策などの建築設備と工作物なども計画の対象に加える。耐震化の目標は次の通り。
▽住宅=これまでと同様に住宅の建替や耐震化等が進むと仮定した場合、耐震性が不充分な住宅が17年には1万8700戸(耐震化率約96%)と想定される。さまざまな施策促進により今後10年間での耐震改修と建替等の耐震化を行う必要がある。7年の耐震性不充分な住宅のうち戸建住宅が約94%と多くを占めているため、引き続き戸建住宅の耐震化を重点的に進める施策の展開を図る。12年の耐震化率95%を中間目標値として設定する。
▽要緊急安全確認大規模建築物=12年のおおむね解消に向けて8年3月時点で耐震性不足とされている16施設の所有者に対し、所管行政庁と連携して建築物の耐震改修などの耐震化について早急に取り組むよう指導・助言する。
▽要安全確認計画記載建築物=①要安全確認計画記載建築物(防災拠点建築物)は17年のおおむね解消に向けて8年3月時点で耐震性不足とされている21棟の所有者に対し、所管行政庁と連携して建築物の耐震改修などの耐震化について早急に取り組むよう指導・助言する②要安全確認計画記載建築物(緊急輸送道路沿道建築物)については今後指定を行い、耐震診断の結果の報告を受けることとなる。耐震診断の結果で耐震性が不充分な建築物に対しては集中的に施策の展開を図ることで17年のおおむね解消に向けて取り組む。
▽県有建築物=公共建築物は平常時の利用者の安全確保とともに、災害時の応急活動の拠点施設としての機能確保の観点からも特に建築物の耐震化が重要。このため県有建築物の耐震化は、施設の将来計画(施設のあり方、事業継続計画BCP)や耐震診断・耐震改修の優先性を勘案し、それぞれが受け持つ役割に応じた耐震性の確保を進めるための計画(県有建築物の耐震改修プログラム)に基づいて実施してきた。7年度末時点で耐震化率が99%に達していることから、耐震性が不充分な県有建築物の早期解消に向けて引き続き取組みを進める。
建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るため、耐震化の現状や特性を踏まえて効率的かつ効果的な取組みを実施していく。住宅・建築物の所有者や市町村等との連携に当たっては、官民参画の「奈良県住宅・建築物耐震化等促進協議会」や、建築物の耐震化促進に係る市町村連絡会議等を活用して主体的な取組みを推進する。また、住宅・建築物の耐震化を促進するため引き続き耐震診断・耐震改修等への助成を実施する。助成制度や税制優遇などの耐震化に関連するさまざまな情報は各種メディアを通じて幅広く情報提供に努める。
住宅の耐震診断を早急に普及促進するため、市町村が住宅所有者等からの申込を受けて耐震診断を実施する技術者(木造住宅耐震診断員)を派遣する事業を支援する「奈良県既存木造住宅耐震診断支援事業」を引き続き実施する。今後も事業を推進するため建築関係団体と連携し、木造住宅耐震診断員となるための講習会の開催及び登録を行うとともに技術者の育成と診断技術の維持・向上に努める。効果的な普及啓発としてパンフレット活用やセミナー等開催も行う。
