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県河川整備委員会 進捗点検状況を報告 大和川水系(曽我葛城圏域) 葛下川・高田川・葛城川・曽我川・ 広瀬川・小金打川の6河川を対象に

2025.11.18 県土マネジメント部

奈良県県土マネジメント部河川整備課は、第110回奈良県河川整備委員会(委員長・川池健司京都大学防災研究所教授)を開催し、大和川水系(曽我葛城圏域)の葛下川・高田川・葛城川・曽我川・広瀬川・小金打川の6河川について、進捗点検(環境モニタリング調査結果の中間報告を含む)について事務局から報告があった。次回の第111回委員会は12月22日に開催して事業再評価の審議、令和8年3月25日の第112回委員会で7年度のまとめを行う予定。
平成9年の河川法改正により治水・利水・環境の総合的な河川制度整備として河川環境の整備と保全、地域の意見を反映した河川整備の計画制度が導入された。長期的な視点に立った河川整備の基本的な方針とする河川整備基本方針に基づき、今後20~30年の河川の整備を計画的に実施する内容を示した河川整備計画の策定が義務付けられている。
県では、河川整備計画を策定するため学識経験者11名で構成する奈良県河川整備委員会を設置し▽大和川水系(生駒いかるが圏域、平城圏域、布留飛鳥圏域、曽我葛城圏域)▽紀の川水系▽淀川水系―の3水系において、同計画を策定して事業を進めている。
河川整備計画は長期計画のため、社会情勢の変化や自然環境の影響等を適切に反映できるように適時点検(フォローアップ)を行う必要がある。委員会では、策定した河川整備計画のフォローアップとしての進捗点検の役割を持っており、その役割には、当該計画に基づく事業についての奈良県公共事業評価監視委員会に代わる事業再評価に関する審議も含んでいる。平成24年度から開始した進捗点検も28年度までにすべての河川整備計画について完了しており、29年度から2巡目、令和4年度から3巡目の進捗点検を実施している。
6河川改修事業の事業内容と進捗及び今後の対応は次の通り。担当は河川計画係(電話0742―27―7507)。
 【葛下川河川改修事業】
 事業区間約2600㍍で約1500㍍が進捗。工区①は王寺町葛下(JR和歌山線付近~王寺跨線橋上流)で河道拡幅約200㍍、工区②は香芝市下田東~別所(下田橋~近鉄大阪線)で河道拡幅・河床掘削・バイパス水路の開削約2400㍍。
 工区①では、3年度~6年度に前田橋(王寺町道橋)架替のための仮橋設置と架替工事が完了。7年度は仮橋撤去を終え、河床を下げるためのJR橋脚部の護床工事に着手する。今後5年間でJR橋脚部の護床工事及び護岸整備を行う予定。
工区②では、3年度~6年度に五位堂橋上流の未買収地の用地交渉、上流側先行施工の検討を実施。7年度は五位堂橋上流の未買収地の用地交渉を引き続き実施する。今後5年間で用地買収を進め、五位堂橋から上流に向けて護岸整備を実施する予定。
 【高田川河川改修事業】
 事業区間約1600㍍で約1080㍍が進捗。工区①は河合町長楽~広陵町笠(沢大橋~里合橋上流)で河床掘削約900㍍(改修済約380㍍)、工区②は広陵町安部~大和高田市神楽(新そらつ橋~中之橋)で河道拡幅・河床掘削約700㍍(整備済)。
 工区①では、3年度~6年度に整備済約380㍍のうち約100の護岸整備を実施、また、近鉄田原本線橋梁架替の概略検討に着手。7年度は引き続き概略検討を進めるとともに、上流側先行施工のための設計を進める。今後5年間で近鉄橋梁の架替に向けた調整及び架替工事の着手、また、先行して上流側護岸工事に着手する。
 【葛城川河川改修事業】
 事業区間約4450㍍で約200㍍が進捗。工区①は広陵町弁財天~広瀬(下流より1・3㌔㍍~2・3㌔㍍地点)で堤防嵩上げ約1000㍍、工区②は大和高田市土庫(下流より5・4㌔㍍~5・7㌔㍍地点)で堤防嵩上げ約350㍍、工区③は大和高田市今里川合方~田井(下流より7・6㌔㍍~8・7㌔㍍地点)で堤防嵩上げ約1100㍍、工区④は大和高田市奥田(下流より10・1㌔㍍~11・0㌔㍍地点)で河道拡幅・堤防嵩上げ約900㍍、工区⑤は御所市今城~御所(下流より12・2㌔㍍~13・1㌔㍍地点)で堤防嵩上げ約900㍍、工区⑥は御所市御所(下流より13・8㌔㍍~豊年橋)で河道拡幅・河床掘削約100㍍(整備済)、工区⑦は御所市御所(豊年橋~柳田川合流点)で河床掘削約100㍍(整備済)。
 工区①では、3年度~6年度に既設構造物である4つの橋梁の架替が必要か検討して河川概略設計を実施。7年度は堤防嵩上げのみでは橋梁の架替が必要となり、周辺交通への影響や整備費用の増大が懸念されることから河床掘削も含めて検討を進める。今後5年間で引き続き護岸の予備設計と詳細設計を実施し、護岸工事に着手する。
工区④では、2年度時点で計画を変更し、6年度に現況の河川に対しての河道拡幅をベースとした計画とした。工区②・工区③・工区⑤は事業未着手。
 【曽我川河川改修事業】
 事業区間約7300㍍で約510㍍が進捗。工区①は広陵町百済~大和高田市松塚(下流より6・5㌔㍍~小金打川合流点)で河床掘削約2000㍍、工区②は橿原市川西町~御所市戸毛(千塚橋~ハブ井堰)で河道拡幅・河床掘削約5300㍍。
 工区①では、3年度~6年度に重井出井堰が完了し、重井出井堰を含む約160㍍の河川改修を実施。7年度は新たに右岸約35㍍の護岸整備に着手する。今後5年間でさらに上流側の護岸整備を進める。
工区②では、3年度~6年度に約30㍍の護岸工事を実施し、千塚大橋の架替工事、県営水道の移設工事に着手。今後5年間で千塚大橋の架替工事、県営水道の移設工事を完了させ、上流側の護岸整備を進める。
 【広瀬川河川改修事業】
 事業区間約4000㍍で約320㍍が進捗。広陵町大場~百済(葛城川合流点~一級河川上流端)で河道拡幅・河床掘削・バイパス水路の開削4000㍍。
3年度~6年度に整備済約320㍍のうち約220㍍の護岸整備を実施した。また、県道の迂回路を整備して県道橋の架替工事と、さらに上流の町道橋の架替工事に着手している。7年度は県道橋の架替工事と町道橋の架替工事を進める。今後5年間で県道橋の架替工事と町道橋の架替工事が完了し、さらに上流側の護岸整備を進めていく。
 【小金打川河川改修事業】
 事業区間約1900㍍で約550㍍が進捗。大和高田市松塚~橿原市曲川町(曽我川合流点~一級河川上流端)で河道拡幅・河床掘削約1900㍍。
3年度~6年度に整備済約550㍍のうち約115㍍の河川改修を実施し、2つの橋梁架替工事を実施した。7年度は上流側の用地買収を実施する。今後5年間で上流側の用地買収を実施したうえで上流側の護岸整備を進める。

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