一般記事

県土利用政策課 10月31日までパブコメ 県土地利用基本計画の改定(案) 国土利用計画と統合し 8年3月に計画を改定

2025.10.7 県地域デザイン推進局

 奈良県県土マネジメント部まちづくり推進局県土利用政策課は、「奈良県土地利用基本計画の改定」(案) に係るパブリックコメントを実施している。令和5年7月に国の「国土利用計画(全国計画)」が改定されたため、当該計画を基本とする「奈良県土地利用基本計画」を8年3月に改定するもので、任意計画である「奈良県国土利用計画」と「奈良県土地利用基本計画」を統合する。
案は県土利用政策課のHPに掲載しているほか、県政情報センター(県庁舎東棟1階)・県民お役立ち情報コーナー(県立図書情報館、県産業会館、橿原総合庁舎、吉野町中央公民館の県内4か所)・県土利用政策課(県分庁舎6階)でも閲覧できる。意見を10月31日まで郵送・FAX・HP掲載のメール送信フォームにより受け付ける。問い合わせ先は土地政策係(電話0742―27―8484)。
県では、人口減少や高齢化が進行するなかで、空き家や耕作放棄地などの管理不全土地が増加していることや、県の持続的発展に向けて高い効用の発揮が見込まれる土地の利用が低水準に留まっていることなど土地に関する新たな課題が顕在化していることを踏まえ「土地の適正な管理、合理的な利用及びより効果的な利用により地域経済の発展及び生活の向上を図る条例」を制定、計画の改定に条例の趣旨も反映している。
この計画は、国土利用計画法に基づく土地取引規制及び遊休土地に関する措置、土地利用に関する他の諸法律に基づく開発行為の規制その他の措置を実施するに当たっての基本となる計画。都市計画法や農業振興地域の整備に関する法律・森林法・自然公園法・自然環境保全法等に基づく諸計画に対する上位計画として行政部内の総合調整機能を果たすとともに、土地取引に関しては直接的に、開発行為については個別規制法を通じて間接的に規制の基準としての役割を果たすもの。
県土の自然的・地理的条件、歴史や生活圏等の特性及び市町村界を配慮して大和平野地域、大和高原地域及び五條・吉野地域の3区分に分け、県土資源の有限性を踏まえ、地域の個性や多様性を活かしつつ地域間の均衡ある発展を図る見地から、必要な基礎条件を整備し、県土全体の調和ある有効利用とともに環境の保全が図られるよう地域別の土地利用の基本方向を定めている。
【大和平野地域】
▽奈良らしい歴史的風土、貴重な歴史・文化遺産、自然環境の保全と活用を図りつつ、県を支える枢要な都市機能の配置とネットワーク化を図る。特に都市的土地利用を行う際には地域の環境上の特性に配慮しつつ、環境負荷が小さくゆとりある都市環境の形成をめざす。
▽歴史的なまちなみの保全・形成、周辺の景観資源や大和青垣等遠景の山並みへの眺望を活かした沿道景観づくりに配慮しつつ、交通基盤の整備や多様な都市機能が集積した拠点の形成等に努める。
▽洪水等被害の軽減のため浸水の常襲地域等の情報を周知するなど危険地域への居住地拡大を抑制するとともに、治水施設の整備や流域が持つ保水機能の維持・確保等総合的な治水対策を進める。
▽京奈和自動車道や清滝生駒道路等幹線道路の整備を推進するほか、これらの道路を活用し、インターチェンジ周辺等については主として工業系と物流系の土地利用を、その他の幹線道路沿道については主として商業系の土地利用を計画的に推進する。また、主要幹線道路や既存工業団地の周辺地域等については工業系の産業機能の集積促進を考慮した土地利用を図る。
▽農業では吉野川分水を中心に既存の農業水利施設を活用し、大都市近郊の立地を活かした高収益農業やスマート農業等を展開しつつ、生産基盤の整備と計画的な土地利用を推進することにより優良な農用地の確保・保全と耕作放棄地の発生防止・解消に努める。また、地産地消を促進するため直売所等販売拠点の拡充を図る。
▽森林では身近な緑地空間としての整備・保全や適切な利用・管理を推進し、県土保全等機能の維持・向上に努める。
▽中心市街地や主要駅周辺地域等において公共空間の確保・整備を図るほか、美しく良好なまちなみ景観やゆとりある都市環境の形成に配慮して多様な都市機能(居住機能、商業機能、オフィス機能、医療・福祉機能、教育・文化機能、余暇機能等)がバランスよく配置された市街地の整備推進を図る。また、これら拠点となる市街地間を結ぶ道路・交通等ネットワークの強化を図る。
▽住宅地では歴史的風土や自然環境との調和と良好でゆとりある都市環境の形成に留意しながら、必要に応じて低未利用地等の再生を図るほか、計画的かつ効率的な市街地整備を推進し、コミュニティの維持などソフト面の取組みとも連携し、持続可能な住環境の形成を促進する。
【大和高原地域】
▽良好な自然環境の保全はもとより都市的土地利用を行う際には地域環境との調和に配慮し、必要に応じて集落機能を集約的に維持・強化するなど自然環境と調和しつつ持続可能な地域づくりを進める。
▽幹線道路、生活道路、農道、林道等生活・産業基盤の整備を地域の実情に応じて進めるとともに、都市との近郊性と豊かな自然を活かした観光・レクリエーション拠点の形成を図るなど多様な地域資源を組み合わせた複合的な地域振興策を促進する。
▽名阪国道等幹線道路沿道を中心として工業系と物流系の産業機能の集積促進を考慮した土地利用を図る。
▽高原野菜や花卉を中心とした生産性の高い農業と付加価値の高い畜産振興を展開しつつ、生産基盤の整備と計画的な土地利用の推進により国営事業等で整備された団地を中心に優良な農用地の確保・保全と耕作放棄地の発生防止・解消に努める。また、グリーン・ツーリズム等の推進による都市住民との交流の場の形成に努め、活力ある農山村づくりを図る。
▽森林については県産材の安定供給体制の整備や県産材の利用を推進するとともに、多面的機能を有し重要な役割を果たす森林の整備及び保全を進める。
【五條・吉野地域】
▽歴史・文化遺産と良好な自然環境の保全・活用を図る。都市的土地利用を行う際には地域環境との調和に配慮し、必要に応じて集落機能を集約的に維持・強化するなど自然環境と調和しつつ持続可能な地域づくりを進める。また、原生的な自然地域や野生動植物の生息・生育地及び優れた自然の風景地等自然環境を維持すべき地域については、県土管理の質の向上を図り適正な保全に努める。
▽京奈和自動車道、五條新宮道路等の幹線道路、生活道路等の整備を推進するとともに、歴史・文化資源や温泉等地域の資源を活かした観光・レクリエーション拠点等の形成を促進し、雇用の確保と創出に向けた地域振興策を展開する。
▽工業系と物流系の産業機能の集積促進を考慮した土地利用を図るとともに、未分譲地を有する既存工業団地等の利用を促進する。特に利便性のよい京奈和自動車道等主要幹線道路沿道地域の活用を図る。
▽農業では国営事業等により整備された団地を中心に果樹等の経営規模の拡大を推進しつつ、生産基盤の整備と計画的な土地利用の推進により農用地の確保・保全と耕作放棄地の発生防止・解消に努める。また、グリーン・ツーリズム等の推進による都市住民との交流の場の形成に努め、活力ある農山村づくりを図る。
▽森林については県産材の安定供給体制の整備や県産材の利用を推進するとともに、多面的機能を有し重要な役割を果たす森林の整備及び保全を進める。

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