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アトラスワークスを選定 運転免許CPFIアドバイザリー オオバで調査検討進む
2025.9.30 県警察本部
奈良県警察本部警務部施設装備課は、公募型プロポーザル「運転免許センター新庁舎整備事業PFI手法アドバイザリー業務委託第07―21―業号」について、応募3社から提出された参加申込書等と提案書等を審査基準により審査した結果、アトラスワークス(東京都中央区日本橋2丁目1―17丹生ビル、幸田浩明代表取締役)を1040点満点中955点で最優秀提案事業者に選定した。委託期間8年3月31日。委託料の上限694万1000円込。担当は営繕係(電話0742―23―0110内線2297)。
7年度当初予算では、運転免許センター施設整備事業に6612万1000円と債務負担行為5474万7000円を確保し、老朽化に伴う移転建替整備の埋蔵文化財発掘調査委託と造成設計業務委託及びPFI手法アドバイザリー業務委託ほかを行うとしている。
運転免許センター新庁舎整備事業造成設計業務の実施に当たり、CM業務(発注者の利益を確保するため技術的な中立性を保ちながら発注者側の立場に立って計画検討、工事費の削減検討、工程計画の検討などの各種マネジメントを行う)は公募型プロポーザルにより応募2社から阪急コンストラクション・マネジメント(大阪市北区梅田2丁目2番22号、井坂博一代表取締役社長)を800点満点中670・5点で最優秀提案事業者に特定した。委託期間は同じ。
一般競争入札「運転免許センター整備事業地質調査業務委託第07―18―調号」は落札したISCに委託している。業務場所は田原本町大字阪手他。業務内容は機械ボーリング11本、標準貫入試験1式。
一方、「仮称新第二庁舎整備等調査検討業務委託第07―23―調号」も一般競争入札によりオオバに委託して進めている。業務は施設の現状把握と課題の整理、整備候補地周辺状況の調査・把握、整備基本方針の作成、仮称新第二庁舎の整備に必要な敷地・庁舎規模の検討、事業計画の検討(配置図等の作成、概算事業費の算定、事業手法の検討)。 PFI手法アドバイザリー業務は、運転免許センター再整備基本計画及び官民連携導入可能性調査に基づき、運転免許センター新庁舎整備事業をPFI法に定める事業方式(PFI方式)で実施するに当たり、実施方針の作成・公表から事業者の選定及び事業契約締結に至る一連の業務について業務実施上必要な支援を行い、併せて必要となる調査・検討及び資料作成等を行うもの。業務内容は次の通り。
【公募条件の精査】
昨年度策定された基本計画における検討条件等を把握し、公募条件の精査を行う。なお、精査に当たりこの事業に関心のある企業に対してヒアリングを実施する。
【実施方針及び要求水準書(骨子)の作成等】
▽実施方針及び要求水準書(骨子)の作成=PFI導入可能性調査の検討内容に基づき、この事業の事業概要と事業スケジュール及び応募者の参加資格要件等を整理し、PFI法に規定される実施方針を作成する。
▽実施方針及び要求水準書(骨子)の公表に係る支援=実施方針及び要求水準書(骨子)を公表するに当たりPFI法を始めとする各種法令を踏まえて支援を行う。また、公表時に説明会を開催する場合は開催及び運営に係る支援を行う。
▽実施方針及び要求水準書(骨子)への質問・意見に対する回答支援=公表した実施方針及び要求水準書(骨子)に関し、民間事業者から提出された質問に対する回答作成支援を行う。
▽(仮称)奈良県警察運転免許センター整備事業PFI事業者選定委員会の開催支援=(仮称)奈良県警察運転免許センター整備事業PFI事業者選定委員会の開催支援を行う。期間中に1回開催する。また、委員に支払う報酬等は県警察本部が負担する。
▽技能試験コース及び高齢者講習コースのレイアウト作成=「要求水準書(骨子)」を作成するために必要な技能試験コース(二輪、四輪)及び高齢者講習のレイアウトを作成する。
日本工営都市空間に委託してまとめた基本計画では、運転免許センター再整備についてDBO方式のPFIを事業方式として事業費89億円で、7年度から事業者選定を始めて9年度上半期には事業者を決定し、9年度からの4~5年間を施設整備(設計・建設)に充て13年度内に供用開始して34年度までの15年間を維持管理・運営機関とする。7年度から発掘調査と造成設計を進め、9年度~11年度上半期に造成工事、14年度からの既存施設解体・撤去に向けて12年度から設計を行う―とした。
大和平野中央プロジェクトまちづくりは、川西町・三宅町・田原本町と3年5月に協定を締結し、4年3月には「大和平野中央プロジェクトまちづくり基本構想」をオオバで策定したものの、見直しを進めた。すでに用地29㌶を約48億円で取得済。構想見直しでは、田原本町の用地(阪手北・西井上地区。6・5㌶)活用について県警察本部が、築後50年以上が経過して老朽化に伴う建替を検討してきた運転免許センター(約5・6㌶)の移転新築に充てるほか、県警交通機動隊(奈良市)と県警音楽隊(宇陀市)を移転させる。
「交通安全・安心のまち田原本」を基本方針に▽子ども連れから高齢者まですべての利用者が使いやすい施設 (バリアフリー、動線の明確化等)▽高齢者講習実車指導専用のコースも整備する。また、県と町が連携して交通安全に資する警察関連イベント・事故防止に向けたソフト事業等にも取り組む。
配置計画は①試験コースの西側は隣接する住宅街に配慮して緩衝材として樹木を計画②住宅街への騒音対策として音が問題となり難い高齢者コースを西側に計画③運転免許センターの建物は西側の福祉施設や南側の公共施設に配慮して可能な限り敷地境界線からセットバック④駐車場への入庫時・出庫時の渋滞対策として南側及び東側からのアプローチには適正な幅員を確保するとともに場内誘導路を計画⑤駐車台数は現在よりも多い485台を計画(想定。EV充電駐車マスを設置した場合は駐車台数が減少する可能性がある)。
今後の課題は①公募条件の検討②要求水準の検討③交通手段(アクセス)の検討=建設予定地へのアクセス確保のため最寄り駅からの交通手段について区域運行型デマンド交通の活用を含めた交通手段について検討予定④付帯事業=利用者の利便性向上を始め地域住民に対しての地域貢献と運転免許センターで働く職員の福利厚生の向上の観点から検討。自主事業は民間からの提案を期待して収益性の確保が重要となるため導入の可能性を引き続き検討する⑤既存運転免許センターの跡地活用または解体撤去。