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大和平野中央構想 三宅町県有地活用プロジェクト 7~8年度で基本計画 9月19日まで参加表明書を受付 ユーザー層や参入候補企業等をリサーチ
2025.9.9 県文化・教育・くらし創造部
奈良県地域創造部大和平野中央構想・スタートアップ推進課は、三宅町石見地区の県有地で「次世代を担う学生×企業のまちMIYAKE」をテーマとしてヤング・イノベーション・レジデンス(仮称「YIR」)及び企業誘致によるまちづくりを推進しており、予定地の土地利用及びYIRの概略検討並びに企業誘致に係る基本方針を定めた「三宅町県有地活用基本構想」の検討内容を具現化するため、実現性のある事業スキーム・スケジュール等を踏まえた「三宅町県有地活用基本計画」を2ヵ年に分けて策定する。
今年度は基本構想をベースに、YIRのターゲットとなるユーザー層や参入候補となる企業等へのリサーチにより、計画のフィージビリティー確保を図るとともに、それを踏まえたYIRのコンセプト・ユーザー候補・提供すべき価値・機能を具体化する。また、施設の整備・管理手法を検討し、建物の配置だけでなくエリア全体での戦略的な土地利用プランを検討し、令和8年度のハード面の検討(造成計画、建築計画等)に繋げる。
公募型プロポーザルを適用して9月3日に公告した「令和7年度三宅町県有地活用基本計画等策定業務委託」に係る参加表明書を9月19日まで、企画提案書等を9月30日まで受け付け、プレゼンテーション及びヒアリングを10月7日に行い、最も評価の高い者を最優秀提案者として選定する。委託期間8年3月24日。委託上限額3562万9000円込。4月28日公告の公募型プロポーザル「三宅町県有地活用基本計画等策定業務委託」は参加表明書の提出者がなかったため取り下げた経緯がある。
参加資格は▽物品購入等に係る競争入札の参加資格等に関する規程による競争入札参加資格者のうち役務の提供の検査・分析・調査業務「調査分析業務」に登録を完了している者▽過去10年以内(平成27年4月1日~令和7年3月31日)に完了した民間活力導入を検討対象とした国または地方公共団体が発注した「学生寮」「インキュベーション施設」または「交流施設」に関する調査・計画またはコンサルティング業務の履行実績を有する者―など。担当の電話0742―27―8946。
石見地区は近鉄石見駅南西部の約7・7㌶(市街化調整区域)。大和平野中央プロジェクトまちづくり基本構想では「県立大学を核としたスタートアップヴィレッジ」としていたが、山下知事により見直し、「学生の居住拠点とスタートアップ企業誘致」を基本的な方針とする学生の居住拠点を県が整備する▽若者が生活しながら成長できるヤング・イノベーション・レジデンス=①県内の大学院・大学・高専・高校の学生・留学生・社会人が世代や背景・言語を超えた交流ができる全く新しいタイプの学生寮(入寮100名程度)②3つの機能(居住、企業や地域との学び・交流、イノベーション)を有し、県内大学や高専や企業及びスタートアップとの連携で学生と企業が生活しながら成長。多様な学び・交流を創出▽まちのコンセプトに賛同する研究や新産業にチャレンジする企業の誘致=①地域課題や先鋭的な技術を研究する企業②学び・交流拠点において学生との交流を積極的に図る企業。「三宅町県有地活用基本構想等作成業務委託」はオオバ奈良営業所が担当。今回の業務内容は次の通り。
【前提条件調査】
▽マーケット動向調査=YIRと類似したコンセプトまたは周辺条件の施設のリストを作成して①学生寮の経済性・成立要件②インキュベーション施設の成立要件③地方における企業集積のパターン④以上におけるKSF(KeySuccessFactor)の抽出を行う。
▽事業者・関係者等へのヒアリング調査=YIRの運営スキームや運営・維持管理体制の検討に当たり①潜在的な利用者ニーズ及び訴求することができる機能②民間参入要件の初期的な確認③行政と民間の望ましい役割分担のあり方―について施設運営等に関連する事業者・関係者へのヒアリング調査を実施する。なお、実施方法及び対象業種については県と協議して決定する。
▽企業誘致に係るサウンディング調査=予定地における企業誘致エリアへの立地の意向について企業へのサウンディング調査を実施する。なお、実施方法及び対象業種については県と協議して決定する。
▽調査結果を踏まえた方針の設定=ヒアリング調査を踏まえてYIRの運営・維持管理及びYIRエリアと企業誘致エリアとの交流に係る方針について検討する。YIRの運営・維持管理に係る方針においては運営コンセプト・ユーザー候補と提供する機能等必要な項目を整理したうえで設定する。
【各種計画等の検討または作成】
▽交通計画(アクセス計画)=①現状の予定地周辺及び三宅町の交通インフラ調査②国・県・町・民間による周辺地域でのインフラ整備・開発計画の整理③地区外(鉄道駅や主要幹線道路等)から予定地内に整備する各施設への車両と歩行者等の交通計画(アクセス計画)の作成を行う。
▽土地利用計画=予定地の各エリア(YIRエリア、企業誘致エリア)の利便性の向上に繋がる土地利用計画を作成する。
▽動線計画=学生・インキュベーション施設関係者・施設管理者・誘致企業職員・地域住民等の利用者の観点から各施設を結ぶ動線計画を作成する。
▽施設配置計画=以上の検討をもとに、予定地全体の施設配置案(3案以上)を検討提案したうえで施設配置計画を作成する。作成に当たり「利便性向上の考慮」「周辺環境への配慮」「地域特性への合致」「学生と企業・スタートアップの交流機会の促進」等の項目をもとに比較検討・整理を行う。項目については県と協議のうえで決定する。
▽建築モデルプラン検討=基本構想で設定した学生寮とインキュベーション施設及びその他交流施設に係る基本方針及び調査結果を踏まえた方針の設定での検討をもとに、建築に係るモデルプランを複数案(3案以上)作成する。モデルプランにおいては建物の平面・立面・構造(S造、RC造、W造等)等の検討と、機能も加えた諸条件の整理を含める。
▽施設整備・管理運営スキームの具体的検討等=今後実施予定の導入可能性調査を見据え、予定地における建物の整備や管理運営スキームの検討をするに当たり①施設整備及び維持管理運営に係る官民の役割分担(案)・リスク分担(案)の作成②施設整備・管理運営スキーム(案)(3案以上)の作成③作成したスキーム(案)と従来手法を比較したうえでの簡易VFMの算定を行う。なお、作業は施設整備及び維持管理・運営業務で想定される業務項目を整理したうえで行う。
▽事業スケジュール(案)の作成=今後発生しうる課題等を整理したうえで、各種行政手続き等も含めた施設開設までの事業スケジュール(案)を作成する。なお、スケジュール案は施設整備・管理運営スキームの具体的検討等で作成したスキーム(案)ごとに作成する。
▽概算事業費の算出=施設整備・管理運営スキームごとに検討した内容を実現させるための設計費と工事費その他必要となる事業費を算出する。供用開始後の運営に必要なランニングコストを算出する。