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紀伊山系 国土防災技術らで進む 深層崩壊危険斜面監視技術調査など

2025.6.26 近畿地方整備局

 近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所は、「紀伊山地における深層崩壊危険斜面の監視技術調査業務」は国土防災技術、「那智川流域流砂および水文観測調査業務」は日本工営、「木津川水系流域土砂生産ポテンシャル観測調査業務」はパシフィックコンサルタンツに簡易公募型プロポーザルにより委託して進めている。業務場所は五條市三在町。委託期間8年3月31日。
 【紀伊山地における深層崩壊危険斜面の監視技術調査業務】
 技術提案書の提出希望者を公募したところ、申請期間内31者から入札説明書等のダウンロードがなされ、2者から参加表明書の提出があり、参加資格を有するその2者を技術提案書の提出者として選定し、提出された参加表明書及び技術提案書を評価した結果、国土防災技術(大阪府吹田市江坂町)の提案が総合的に優れており、適切な提案と認められたため6899万2000円込(予定価格と同額)で契約を締結した。
 業務は、平成23年台風第12号により深層崩壊が発生した新宮川水系赤谷川流域等において、深層崩壊が発生した斜面及び今後深層崩壊の発生のおそれがある斜面を対象に観測機器による斜面監視を実施し、深層崩壊発生蓋然性の高い斜面に対する適切な監視基準や体制及び被害想定実施箇所の絞り込み並びに被害想定について検討することで、大規模土砂災害対策及び流域監視に資する資料の作成を目的とする。
主な業務内容は①計画準備1式②観測機器の維持管理1式③深層崩壊危険斜面における警戒基準検討のための技術調査1式④発生規模及び被害想定の検討1式⑤危険斜面の監視体制調査1式⑥報告書作成1式。
 【那智川流域流砂および水文観測調査業務】
 技術提案書の提出希望者を公募したところ、申請期間内29者から入札説明書等のダウンロードがなされ、3者から参加表明書の提出があり、参加資格を有するその3者を技術提案書の提出者として選定し、提出された参加表明書及び技術提案書を評価した結果、日本工営(大阪市北区西天満)の提案が総合的に優れており、適切な提案と認められたため4394万5000円込(予定価格と同額)で契約を締結した。
 業務は、那智川流域における斜面水文及び河川流砂水文観測を実施、那智川流域における地形地質特性を考慮した降雨応答等の流出特性を把握するための解析等を行うとともに、新技術による土砂動態把握のための検討と地域特性を踏まえた土砂動態把握のための分析を行い、砂防分野における今後の土砂動態監視の検討に資する資料の作成を目的とする。
主な業務内容は①計画準備1式②資料収集・整理1式③観測データの整理1式④降雨流出応答の整理1式⑤観測機器計画・設置および整理1式⑥砂防堰堤堆砂域の土砂移動量推定手法の検討1式⑦那智川流域における土砂動態の特徴整理1式⑧報告書作成1式⑨水系砂防調査1式⑩観測機器の点検・維持管理及びデータ収集1式。
 【木津川水系流域土砂生産ポテンシャル観測調査業務】
 技術提案書の提出希望者を公募したところ、申請期間内33者から入札説明書等のダウンロードがなされ、2者から参加表明書の提出があり、参加資格を有するその2者を技術提案書の提出者として選定し、提出された参加表明書及び技術提案書を評価した結果、パシフィックコンサルタンツ(大阪市北区堂島浜)の提案が総合的に優れており、適切な提案と認められたため4369万2000円込(予定価格と同額)で契約を締結した。
 業務は、観測データを基に数値計算手法を用いて流域の土砂生産量や土砂移動量についてシミュレーションを行うことで地域特性を考慮した土砂生産ポテンシャルを評価する手法を試行して構築するとともに、手法の改善を行うことを通して流域の土砂災害危険度を算出することを検討するもの。
主な業務内容は①計画準備1式②資料収集1式③調査・観測1式④危険度評価のスキームの整理1式⑤対象渓流内の崩壊等危険度の検討1式⑥報告書作成1式。

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