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防災統括室 日本工営で造成設計 南部中核拠点ヘリパッドとアクセス コアゾーン16年度完了めざし 先行整備7年度内にも着工へ
2025.6.20 県総務部
奈良県総務部知事公室防災統括室は、南部中核拠点(五條県有地)整整備基本計画の中間報告における先行整備計画を前提として各種法令の技術基準等を踏まえ、令和7年度上半期にヘリパッド及びヘリパッドにアクセスする通路の設計を行い、工事発注に必要な図面と数量計算書等を作成する。
一般競争入札「南部中核拠点先行整備造成実施設計業務第1―委―1号」により日本工営奈良事務所(奈良市高天市町11)に業務を委託して進めている。業務場所は五條市阪合部新田町他。委託期間9月30日。担当は広域受援推進係(電話0742―27―8091)。業務内容は次の通り。
【計画準備】
▽業務計画の作成=業務の目的と過年度の検討内容及びその他関連事項を把握したうえで業務実施の方針及びスケジュールを検討し、業務計画書を立案作成する。
【詳細設計】
▽現地踏査=設計に必要な現地状況を把握するために行う。踏査では、先行整備計画におけるヘリパッド及びアクセスする通路の計画位置と排水系統等について確認する。
▽ヘリパッド設計=規模は中型ヘリコプターの離着陸を想定するとともに、造成範囲については大型ヘリの離着陸も想定して必要となる設計を行う。また、ヘリパッドの位置・標高・規模・構造等の設計に当たっては航空法(制限表面等)とその他関係基準に基づいて設計を行う。
▽道路平面・縦断設計=先行整備計画の平面・縦断線形等を検証のうえ提示する測量平面図と縦断図を用いて平面・縦断設計を行う。
▽道路横断設計=切土・盛土による造成を基本としつつ提示する横断測量図を用いて横断設計を行う。
▽構造物設計=必要となる構造物(例として擁壁、側溝、舗装、法面保護、集水桝等)の設計を行う。設計に当たっては設計に必要な構造計算と流量計算等を実施する。
▽仮設構造物設計=造成工事を行うに当たり必要となる仮設構造物(例として沈砂池、小堤等)の設計を行う。
▽施工計画検討=設計に基づいて工事の円滑な進行や安全の確保と周辺環境への配慮のため必要な施工計画を行う。
▽設計図作成
受注者は設計図(平面図、縦断図、標準横断図、横断図、詳細図)など工事発注に必要な図面を作成するとともに、工事発注に際して留意すべき設計条件等を図面に記載する(各種法令の許可申請等に必要な資料や図面の作成も含む)。
▽数量計算書作成。
▽照査。
▽報告書作成。
災害応急対策(防災拠点)検討部会(部会長・河田惠昭関西大学社会安全学部特別任命教授)は、南部中核拠点(五條県有地)について3段階で整備するとし、ヘリパッドと通路を整備する第1段階先行整備を7年度中に着工し、第2段階のコアゾーン整備は16年度の完了をめざすとする基本計画案を了承している。
また、防災拠点の概算事業費は約50億円(これまでの用地費は除く)で、消防学校に必要な機能や施設規模・配置の検討を行って改めて概算事業費を算出し、STEP3及び第3段階は支援ゾーンにおける平常時の活用の検討を踏まえて整備方針を検討する予定で、検討成果を実務に移すため広域防災拠点を運用する関係機関 が参画する実務担当者会議を組成する。基本計画作成はセントラルコンサルタントが担当。
大規模災害時には、全国からの人的・物的支援を迅速かつ円滑に受け入れるなど防災体制の構築が必要となる。そのため奈良県地域防災計画検討委員会の下に災害応急対策(防災拠点)検討部会を6年度に設置し、有識者との議論を交え、広域防災拠点の配置スタイルや整備方針など県全体の防災体制について検討してきた。検討の結果、県立橿原公苑等の施設群を北部中核拠点として位置付けるとともに、五條市の県有地を南部中核拠点として位置付け、北部と南部の中核拠点で連携・補完することにより災害対応を実施する方針をとりまとめた。
南部中核拠点(五條県有地)は、五條市黒駒町762番外の敷地面積約64㌶(東エリア約45㌶+西エリア約19㌶)▽コアゾーン=南部中核拠点に必要な防災機能と消防学校が立地する南部中核拠点の核となる区域で、コアゾーンに設ける施設(ベースキャンプ・駐車場等を含む)は造成された平場に設ける▽支援ゾーン=コアゾーンを除く部分のうちコース跡地など比較的平坦な区域で、大規模災害時等に近隣府県等の応援部隊の受入に活用するベースキャンプ・駐車場等。
コアゾーンに必要な機能・規模は▽防災拠点9・49㌶=①進出・救助活動拠点(ベースキャンプ・駐車場)7・70㌶②物資輸送拠点(支援物資保管庫)1600平方㍍③航空搬送拠点(航空支援拠点)(ヘリパッド駐機場1・50㌶、格納庫500平方㍍、給油施設800平方㍍)▽消防学校約4・4㌶。消防学校を入口に近い場所に配置する。
第1段階の先行整備ではヘリパッドと通路を先行整備して早期に防災機能の効果発現を図るとして7年度上半期中に設計して着工、第2段階のコアゾーン整備は南部中核拠点の核となるコアゾーンとして防災拠点となる施設及び消防学校の整備を16年度までに進めて防災機能を向上させ、第3段階の支援ゾーン整備では近隣府県等の応援部隊を受け入れるベースキャンプと外周道路等を整備して更に防災機能を向上させる。