一般記事

県河川整備課 大和川流域治水の本格的な実践へ 7年度に事業効果検証 貯留機能保全区域指定への検討も

2025.6.12 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部河川整備課は、大和川流域において貯留機能保全区域指定や雨水貯留浸透施設の設置に要する民間事業者支援について、令和7年度に流域治水の推進に資する検討と県平成緊急内水対策事業の効果検証を行う。
県建設産業課で一般競争入札「流域治水の本格的実践のための検討業務委託(内水対策推進事業)第1―委―1号」を6月25日に開札して業務を委託する。委託期間8年3月24日。担当は河川計画係(電話0742―27―7507)。
 3年12月に奈良県域の大和川が特定都市河川に指定され、4年1月に法定協議会である大和川流域水害対策協議会を設置し、4年5月に大和川流域水害対策計画を策定した。現在、大和川流域では流域水害対策計画に基づき区域指定の拡大に向けて検討を進めている。貯留機能保全区域については7年1月28日に開催した大和川流域水害対策協議会で先行市町(大和郡山市、川西町、田原本町)の取組み事例に基づき区域指定の拡大をめざす方針について合意を得たことから、今後、対象となる候補地がある市町村において貯留機能保全区域の指定をめざしている。
また、特定都市河川法改正により特定都市河川流域における民間事業者等による雨水貯留施設の設置及び管理を促進するため、民間事業者等が行う一定規模以上の容量や適切な管理方法等の条件を満たした雨水貯留浸透施設整備に係る計画の認定制度が創設された。県では7年2月から認定申請の受付を開始したところ。
そこでこの業務では、貯留機能保全区域指定や雨水貯留浸透施設の設置に要する民間事業者支援について事業効果の検証を実施する。そのほか平成29年10月に発生した内水被害を契機に大和川流域では、各市町が事業主体となり県平成緊急内水対策事業を進めているが、事業化された容量は必要容量の約33%に留まっている。そこで必要容量の確保に向けて市町の技術支援として対策工法案の提案や対策工法実施後の効果検証を行う。業務内容は次の通り。
▽作業計画の作成=作業スケジュールや業務体制等に関する作業計画を作成する。
▽貯留機能保全区域の指定に向けた検討=大和川流域水害対策計画で定められた貯留機能保全区域の指定に向けた候補地を検討し、整理した資料を作成する。検討に当たって「大和川流域水害対策計画等検討業務委託(内水対策推進事業(都づくり))(令和4年度実施)」を参考にする。また、貯留機能保全区域指定の拡大に向けて個別地区における盛土を行った場合の浸水シミュレーション等を行い、区域指定の効果を分かりやすく整理する。
▽ため池治水事業の効果検証=大和川流域水害対策計画に基づく貯留対策の整備を推進するため過年度完成したため池治水施設から3ヵ所程度を選定し、貯留対策の効果検証を行い、市町村が対策の必要性や費用対効果が高いことを認識してもらうための資料作成を行う。また、資料作成に合わせてため池治水施設の整理を行う。
▽内水対策事業の効果検証と説明資料の作成(市町村への支援)=事業が進んでいない市町から2地区程度を選定し、市町や住民に対策の必要性を認識してもらうための対策箇所と対策工法案及び対策後の効果検証を行うとともに説明用資料作成を行う。なお、効果検証は現況と比較して浸水被害に対する地先の安全度を確率降雨ごとに整理するなど一般住民にも分かりやすく理解できるようにする。
▽流域水害対策協議会の資料作成=この業務での検討成果も用いて貯留機能保全区域指定や浸水被害防止区域、雨水貯留浸透施設整備の民間支援に関することなど協議会開催(1回を想定)に向けた内容のとりまとめを行う。

会員登録
一覧に戻る