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新天辻トンネル発生土処分検討 盛土構造の設計など サンコーコンサルで業務が進む ずり仮置を考慮した施工計画も
2025.6.3 県五條土木事務所
奈良県五條土木事務所は、一般国道168号新天辻工区におけるトンネル掘削等に伴う建設発生土(約50万立方㍍)の処分方法を検討するため、残土処分地概略設計業務委託において選定された五條市西吉野町西野地内(西野トンネル北側)の箇所について、令和7年内に必要となる法手続きの確認や盛土構造の設計を行う。
また、候補地までのトンネルズリ運搬経路の課題を整理するとともに、自然由来重金属等を含むトンネルずりの仮置を考慮した施工計画を検討する。その際に盛土へ利用する場合の対策工法等については学識経験者へヒアリングを行い、方針及び概算金額を検討する。
一般競争入札「一般国道168号新天辻工区トンネル施工計画検討業務委託(地域連携道路事業)1―4―委20号」によりサンコーコンサルタント奈良営業所(奈良市大宮町2―4―29)に委託して業務を進めている。業務場所は五條市西吉野町西野。業務はトンネル施工計画検討1式。委託期間12月26日。本庁の担当は県土マネジメント部道路建設課事業第二係(電話0742―27―7498)。
詳細設計業務は第1号トンネル(五條市大塔町阪本~西吉野町立川渡)と、第2号トンネル・第3号トンネル(五條市西吉野町立川渡~阪巻)の2件に分けた一般競争入札によりいずれもオリエンタルコンサルタンツ奈良事務所(奈良市大宮町5―3―14不動ビル)に委託した。いずれも山岳トンネル幅員10㍍で委託期間8年3月19日。延長は▽第1号トンネル4970㍍▽第2号トンネル1099㍍▽第3号トンネル265㍍。今回の業務内容は次の通り。
▽現地踏査=設計に先立って現地踏査を行い、設計図書に基づいた設計範囲及び借用資料と現地との整合性を目視により確認する。また、地形・地質等の自然条件と地物及び環境条件等の周辺状況等を把握し、合わせて工事用道路・施工ヤード等の施工性の判断及び施工計画の立案に必要な現地条件を把握する。
▽設計条件の確認=道路の幾何構造や建築限界と交通量及び法手続き等の検討・設計上の基本的条件について確認を行い、当該設計用に整理する。
▽施工計画検討=自然由来重金属等を含むトンネルずりが発生することを想定し、各トンネルより発生するトンネルずりの運搬サイクルを踏まえ、土壌試験実施頻度(短期溶出試験等)を考慮した候補地内での仮置スペース及びその設備計画を検討する。
▽対策工法等検討=盛土等に利用する場合を想定した構造物としての安定性を確保したうえで、要対策土の環境安全対策として必要な機能を有する構造となるように設計を行う。
▽学識経験者ヒアリング=新天辻工区の概要説明資料及びこの業務でとりまとめた内容について、有識者の指導・助言を得るために学識経験者ヒアリング(受注者同席)を行う。なお、ヒアリング対象は1名×3回(初回報告、中間報告、最終報告)予定しており、有識者については受注者で選定して県と協議のうえで決定する。
▽候補地の概略設計=検討で得られた内容を踏まえ、候補地の盛土概略設計(構造計算を含む)を行う。
▽トンネルズリ運搬経路課題整理=各トンネルから候補地までの経路について現地踏査や簡易測量を行い、待避所の必要性やその他の課題について整理を行う。
▽報告書作成=業務成果として設計業務成果概要書、設計計算書等、設計図面、数量計算書、概算工事費、施工計画書、現地踏査結果等を作成する。