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今年度から事業者選定 運転免許センター再整備基本計画 13年度内の供用開始へ 事業費89億円を見込む
2025.5.29 県警察本部
奈良県警察本部は、運転免許センター再整備についてDBO方式のPFIを事業方式をとして事業費89億円で、令和7年度から9年度上半期にかけて事業者を選定して13年度内に供用開始する―と、このほど日本工営都市空間に委託してまとめた基本計画のなかで明らかにした。
7年度当初予算では、運転免許センター施設整備事業に6612万1000円と債務負担行為5474万7000円を確保し、老朽化に伴う移転建替整備の埋蔵文化財発掘調査委託と造成設計業務委託及びPFI手法アドバイザリー業務委託ほかを行うとしている。
また、一般競争入札「仮称新第二庁舎整備等調査検討業務委託第07―23―調号」を6月10日に開札して業務を委託する。業務場所は田原本町他。業務は施設の現状把握と課題の整理、整備候補地周辺状況の調査・把握、整備基本方針の作成、仮称新第二庁舎の整備に必要な敷地・庁舎規模の検討、事業計画の検討(配置図等の作成、概算事業費の算定、事業手法の検討)。委託期間8年3月31日。予定価格1292万5000円込、最低制限価格1037万3000円込。
大和平野中央プロジェクトまちづくりは、川西町・三宅町・田原本町と3年5月に協定を締結し、4年3月には「大和平野中央プロジェクトまちづくり基本構想」をオオバで策定したものの、見直しを進めた。すでに用地29㌶を約48億円で取得済。構想見直しでは、田原本町の用地(阪手北・西井上地区。6・5㌶)活用について県警察本部が、築後50年以上が経過して老朽化に伴う建替を検討してきた運転免許センター(約5・6㌶)の移転新築に充てるほか、県警交通機動隊(奈良市)と県警音楽隊(宇陀市)を移転させる。
「交通安全・安心のまち田原本」を基本方針に▽子ども連れから高齢者まですべての利用者が使いやすい施設 (バリアフリー、動線の明確化等)▽高齢者講習実車指導専用のコースも整備する。また、県と町が連携して交通安全に資する警察関連イベント・事故防止に向けたソフト事業等にも取り組む。
配置計画は①試験コースの西側は隣接する住宅街に配慮して緩衝材として樹木を計画②住宅街への騒音対策として音が問題となり難い高齢者コースを西側に計画③運転免許センターの建物は西側の福祉施設や南側の公共施設に配慮して可能な限り敷地境界線からセットバック④駐車場への入庫時・出庫時の渋滞対策として南側及び東側からのアプローチには適正な幅員を確保するとともに場内誘導路を計画⑤駐車台数は現在よりも多い485台を計画(想定。EV充電駐車マスを設置した場合は駐車台数が減少する可能性がある)。
事業方式の評価では、従来方式とPFI方式の比較した結果(事業費は従来方式が109億2200万円、PFI方式が89億円)を踏まえ、民間ノウハウを活用することで品質向上や建設・維持管理等の効率化に伴うトータルコストの削減等が期待できる観点から、事業の実施においてPFI方式(BTO方式)により事業を進めることとした。
7年度から事業者選定を始めて9年度上半期には事業者を決定し、9年度からの4~5年間を施設整備(設計・建設)に充て13年度内に供用開始して34までの15年間を維持管理・運営機関とする。7年度から発掘調査と造成設計を進め、9年度~11年度上半期に造成工事、14年度からの既存施設解体・撤去に向けて12年度から設計を行う。
今後の課題は①公募条件の検討②要求水準の検討③交通手段(アクセス)の検討=建設予定地へのアクセス確保のため最寄り駅からの交通手段について区域運行型デマンド交通の活用を含めた交通手段について検討予定④付帯事業=利用者の利便性向上を始め地域住民に対しての地域貢献と運転免許センターで働く職員の福利厚生の向上の観点から検討。自主事業は民間からの提案を期待して収益性の確保が重要となるため導入の可能性を引き続き検討する⑤既存運転免許センターの跡地活用または解体撤去。