一般記事

県文化財課 上半期に基本設計 太安萬侶墓保存活用と園路など整備

2025.4.8 県文化・教育・くらし創造部

 奈良県地域創造部文化財課は、「史跡太安萬侶墓」あることが墓誌の内容から事実であると確認されており、史跡の管理は大きな負担を課していることから、今後も持続可能な管理と保存活用を行い、史跡への理解を来訪者に深めてもらえることを目的に関連する事業の基本設計を令和7年度上半期に実施する。
 一般競争入札「史跡太安萬侶墓における基本設計業務6文財第28号」を4月17日に開札して業務を委託する。業務場所は奈良市此瀬町。委託期間9月22日。予定価格1559万3600円込、最低制限価格1250万7000円込。整備基本計画は空間文化開発機構(大阪市中央区大手前1丁目)に委託して策定。担当は記念物・埋蔵文化財係(電話0742―27―9866)。業務内容は次の通り。
 ▽園路設置のために必要な造成設計及び排水計画。
▽園路設計の整備基本設計=整備基本計画による園路の新設部分。既設部分の園路は存置することとし、改修計画を立てること。
▽跡内の来訪者のための設備等の設計=遺構の規模・形態・性質等に関する詳細な情報を収集・整理したうえで、樹木管理(植樹、伐採、移植等)とベンチ・転落防止柵・手すり・サイン等の設備更新について効果的かつ景観を阻害しない基本設計を行う(修景および植栽計画と整合を図ること)。
▽史跡範囲の明示=史跡太安萬侶墓の指定範囲は墓域と考えられる範囲のうち南側の県道を除く部分の全域が対象とされている。史跡の明示方法及び範囲について案を策定して県に提示する。
▽修景及び植栽計画の策定(ランドスケープデザイン)=墓周辺の修景用樹木が大きく生長し、墓の南側に展開する谷間の風景が墓から望めなくなっている。また、墓に隣接する樹木においてはその根が墓の形状を改変する恐れも出ている。また、史跡地内の大半を占める茶畑は近年すべての栽培をやめており、茶の木が放置されつつあり、土地の形状の改変や景観の改変が懸念されている。地形の保全に充分な検討が必要であることを踏まえ、修景及び植栽計画の策定を行う。
▽事業経費の算出(ライフサイクルコストの検討)と事業計画の策定=工種または工期ごとに必要とされる経費の総額を算出する。また、事業経費に基づいて整備事業の詳細な年次計画の策定を行う。
▽整備基本設計図書の作成=平面図・断面図・立面図等及び工事に要する経費の概算と年次工程表及び設計の概要をまとめた報告書を作成する。
▽実施設計に向けた検討=基本設計業務の完了時における最終事業計画の整理、実施設計に向けた与条件の整理やその根拠となる協議資料等を作成する。

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