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県公園企画課 日本食文化の発信拠点 観光戦略平城宮跡周辺エリア部会 奈良で日本食の精神を伝える Park―PFIなどを活用
2025.3.27 県地域デザイン推進局
奈良県県土マネジメント部まちづくり推進局公園企画課はさる21日、奈良県観光戦略本部の平城宮跡周辺エリア部会(委員長・建築家の内藤廣東京大学名誉教授)第5回を県庁本庁舎第一応接室で開催、「日本食の文化の発信拠点」とする中間報告を行った。
令和6年5月に立ち上げた観光戦略本部は①近鉄奈良駅・新大宮駅・JR奈良駅周辺エリア②平城宮跡周辺エリア③中部エリア(斑鳩、山の辺の道、飛鳥・藤原)④南部・東部エリア(吉野・天川、金剛・葛城、十津川村、宇陀)の部会を設置、それぞれのテーマに基づいて課題やあるべき将来像、それに向けた取組みの方向性等について議論を行うとともに、 具体的かつ実践的な施策について検討を行っている。担当は歴史公園係(電話0742―27―8945)。 中間報告の主な内容は次の通り。
【平城宮跡のあり方】▽国内外で日本食に対する関心が高まっている▽今後5年~10年で興味を持たれるようになる食材・加工技術のトレンドを踏まえたコンセプトを考える▽日本食を学ぶには奈良に来ないといけないような日本食の精神を伝える視点▽平城宮跡の拠点自体を発信基地とする▽薬草や漢方等シルクロードから紐づいたものを平城宮跡で食べることで、非常にオリジナリティがある、奈良時代の過去の歴史を振り返られるような食と食材▽奈良工業高等専門学校や奈良先端技術大学等など産官学の連携▽個店と面の両方を体験できる▽南側地区は事業イメージが持てた。西側地区及び東側地区をどのように活用するか▽歴史的な奈良とモビリティなど最先端を組み合わせる▽食も最先端のものを組み合わせ提案▽防災の観点からブランディングに資する▽導入機能に地域の祭りを巻き込むような面的な広がりを感じさせる内容を補強―など。
【事業手法】▽民設民営とするときは県がバックアップしつつバランスをとる▽食の事業を進める場合は奈良県として全面的にバックアップする取組みを行ってそのなかで平城宮跡でも事業化する位置付け▽食をテーマにした映画を世界に発信したりレストランの誘致を支援するなどすべての事業を食に絡めトータルに実施▽5年~10年経ちテナントが変わってもメッセージを県とともに守っていけるような企業を選定▽Park―PFIなどの手法を活用して都市公園事業として県が行う意義付けが必要▽広域計画や上位計画、建ペイ率や景観法などについて整理▽いろいろなトライアルを実施して細分化し、段階的に事業を進める▽フードフェス会場に平城宮跡も加える▽成功事例と失敗事例を把握する▽半年~1年程度が必要な埋蔵文化財調査期間を考慮してスケジュールを考える―など。
平城宮跡歴史公園の拠点ゾーンは、『国営飛鳥・平城宮跡歴史公園 平城宮跡区域 基本計画』『平城宮跡歴史公園県営公園区域基本計画』及び『平城宮跡歴史公園拠点ゾーン整備計画』に基づき、国土交通省と県が連携して整備を順次進めてきた。
一方、5年6月に5年度予算執行査定において山下県知事が「平城宮跡歴史公園は、さらなる賑わいや魅力向上が必要であるが、新たな建物の建設を前提とするのではなく、必要があれば既存の施設を活用しつつ、今後のあり方を再検討し、観光地としての魅力の抜本的強化に取り組む。このため国とも協議しながら、東側・南側エリアともに、公園としての利活用の可能性も含め今後のあり方を再検討する」としたことから、県営公園区域の今後のあり方を再検討することとなったもので、県営公園区域は朱雀大路西側地区、朱雀大路東側地区、平城宮跡南側地区の3地区(図参照)。
一般競争入札により「平城宮跡歴史公園県営公園区域あり方検討業務委託(平城宮跡の利活用推進事業(南側地区・単独公共)他)第911―委―1・931―委―1号」(業務概要は計画内容の検討及び設定、有識者委員会の運営支援)をオリエンタルコンサルタンツに、また、公募型プロポーザルにより「平城宮跡歴史公園県営公園区域事業手法検討業務委託(平城宮跡の利活用推進事業(南側地区・社会資本)他)第912―委―1・932―委―1号」(業務概要は事業手法の検討と事業性の検証)を日本経済研究所契約に委託して業務を進めている。ともに委託期間は3月31日。(吹上)