一般記事
河川断面の拡大へ 1㌔㍍を対象に広瀬川設計
2025.1.9 県高田土木事務所
奈良県高田土木事務所は、広瀬川の河川断面の拡大を行うために、過年度業務の妥当性の整理・確認を行ったうえで、地元条件や周辺環境等を踏まえつつ河川設計を行う。業務は河川設計1㌔㍍。委託期間9月30日。
一般競争入札〈電子入札「広瀬川河川設計業務委託(防災・安全社会資本整備交付金事業(広域河川))第14―委3号」を1月22日に開札して業務を委託する。業務場所は広陵町大場外。予定価格1666万5000円込、調査基準価格1337万6000円込。本庁の担当は県土マネジメント部河川整備課河川整備係(電話0742―27―7507)。
広瀬川は、曽我川と葛城川に挟まれた田園地帯を流れる河川で、大和川水系河川整備計画(曽我葛城圏域)では、概ね10年に1回程度の確率で発生する降雨の洪水を安全に流下させるとともに生物の生息環境を保全する。現況の河道法線をもとに河道断面の拡大(拡幅・河床掘削)を行い、内水対策について調査・検討を行う。対象となるのは広陵町大場(葛城川合流点)~百済(一級河川上流端)の約4000㍍で、河道拡幅・河床掘削・バイパス水路の開削を計画。今回の業務内容は次の通り。
▽現地踏査=現況施設の状況、予定地周辺の河川状況、地形、地質、近接構造物及び土地利用状況・河川の利用形態(利水の状況含む)等を把握し、併せて工事用道路・仮排水路・施工ヤード等の施工の観点から現地状況を把握して整理する。
▽基本事項の検討=①基礎検討として対象範囲の区間毎に護岸の主要課題である法線形(3案程度)と護岸の根入れ(洗掘深の検討)及び環境検討及び決定し、安全性について特に注意すべき点を明確にする②洪水時の流速、土圧、地下水圧等に対して充分な強度を有し、施工性及び経済性等に優れる法覆工について3案程度提案してそれぞれについて検討を行う③現地の状況、経年変化の調査結果を考慮して安全で施工性に優れた護岸基礎工法を3案程度提案して検討する④関連構造物として河川改修に伴う影響構造物のうち小規模施設(管渠、用排水施設等)及び取付道路等の背景、現状等を調べて改修方針を立てる。
▽基本ケースの選定=①検討した各要因の各案を対象区間に選定するための比較(根拠)検討を行う②比較検討の結果を概略図として平面(法線、環境等)、縦断(根入れ、構造物)及び断面(構造)等を整理し、当該区間全体に亘る護岸形式として河川特性を充分に考慮した6ケース程度を選定する。
▽図面作成=選定したケースで平面図、縦断図、標準構造図、標準断面図、小規模構造物の図面を作成する。
▽施工計画の比較検討=選定した最適護岸形式について①施工方法(施工方針、施工順序及び施工機械等)②仮設計画③全体施工計画―の比較検討を行い、最適な施工計画(案)を策定する。
▽概算工事費=概算工事費を算定とする(現河川拡幅に伴う近鉄田原本線架替費用算定は別途業務にて実施予定)。
▽総合評価=選定された基本ケース6ケース程度について安全性と経済性・施工性及び環境等を総合的に評価し、技術的面から優劣を検討して最適の護岸タイプを提案する。
▽考察=設計において解決されなかった問題点を項目ごとに列記し、今後行われる詳細設計までに調査または特別に検討しておく事項を整理するとともにその方針または方法についてまとめる。
▽照査。
▽パース作成=基本ケースのうち護岸構造の設計方針がわかるように標準区間及び特殊区間等をそれぞれ3タイプについて着色パース(A3版)を各1枚ずつ作成する。
▽関係機関協議資料作成=関係機関(近鉄及び河川整備課を予定)への計画説明を行う際の協議図面・資料を作成する。
▽報告書作成。