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県文化財保存事務所 地質調査と耐震診断 重要文化財「中家住宅」主屋 火災被害からの修理へ
2025.1.7 県文化・教育・くらし創造部
奈良県地域創造部文化財保存事務所は、昨年7月29日に約50㍍離れた場所で枯れ草を燃やしていた火が燃え移った中家住宅の修理を行うため、来夏にかけて地質調査と耐震診断を行う。12月補正予算で重要文化財等修理受託事業として1600万円と債務負担行為2623万5000円(ほかに文化財保存事業費補助金80万円)を確保し、被災した国指定文化財中家住宅(安堵町)の復旧を行う。
一般競争入札「重要文化財中家住宅主屋耐震診断業務6文保委第5号」を1月17日に開札して業務を委託する。業務場所は安堵町大字窪田133番地。委託期間8月29日。予定価格1025万2000円込、最低制限価格826万1000円込。担当は事業係(電話0742―27―9865)。
中家住宅は二重の濠に囲まれた大和川北岸に残る大和地方の典型的な環濠屋敷で、業務は重要文化財中家住宅主屋の保存修理事業に係る地質調査及び耐震診断を行うもの。1棟の保有耐震性能を確認したうえで所定の必要耐震性能を有するか評価し、耐震性能の向上措置を検討する。
▽地質調査=中家住宅主屋の立地地盤の状況把握に必要なデータを採取する。ボーリング調査1ヵ所(掘削深さ概ね25㍍を予定)、標準貫入試験、土質試験及び液状化の検討を行い、地質状況・地盤構造を把握し、耐震診断や耐震補強設計のための基礎資料とする。
▽耐震診断=中家住宅主屋の保有耐震性能を確認(1次診断)したうえで所定の必要耐震性能を有するかを評価し、耐震性能の向上措置を検討して提案する。提案を基に、構造補強材を挿入した状態での地震応答変位を算定し、保有耐震性能の向上を確認し、所定の必要耐震性能を有するか評価する(2次診断)。業務の実施手順と方法及び留意事項については「重要文化財(建造物)耐震診断指針」及び「重要文化財(建造物)基礎診断実施要領」に従う。